千年戦争アイギス Wiki

山賊A

はぁ。それにしても上納金の額が
あがっちまうなんて聞いてねぇよ。前の月なんて
稼ぎのほとんどを持っていかれちまった。

山賊B

……仕方ない。ギルドのルールは絶対だからな。
それに、魔物とも手を結んでいるから、
下手に逆らったら消されちまうだけだ。

山賊A

っと……！　おい。隠れろ。
カモが来たぞ……！

アンナ

王子、山賊たちがよくあらわれるのは
確かこの辺りです。

それにしても、突然、山賊による被害が増えるなんて
一体どうしてなのでしょうか……。

兵士

報告！　前方から敵襲です！

アンナ

王子！
迎撃の準備を！

山賊A

今だ……！　かかれぇ！
……って。
お、王子様ご一行じゃねぇか……！

アンナ

山賊！　現れましたね！

ここ最近あなた達絡みの被害報告が増えています。
これ以上暴れるというのなら、
見過ごすわけにはいきません！

山賊A

うぅ。よりによって王子かよ……。
くそ……っ！　お、俺たちは今、金がいるんだっ！

アンナ

お金？　何か事情があるなら
伺いま……。

山賊A

金が無けりゃ闇ギルドに消されちまうんだ……っ！
うおぉぉーーーー！

アンナ

ちょ、ちょっと……！

モーティマ

おい！　お前ら！
俺がいない間に勝手になにやってんだ！
派手に暴れんなって言っただろ！

山賊A

お、お頭ぁ！！
……それが、闇ギルドの上役から突然上納金を
値上げするって言われたんでさぁ……。

アンナ

闇ギルド？
モーティマさん、それは何のことなんでしょうか？

モーティマ

あぁ、おめぇら表の世界の人間は知らねぇか。
闇ギルドってーのは、元々は俺らみたいな
はみ出し者同士が集まってできた組織なんだよ。

魔物が現れてからは、
俺ら裏稼業のもんたちで情報交換しあって、
魔物がいねぇ場所を教えあったりしてたんだが……。

アンナ

なるほど。裏稼業の方々がお互いに
助け合う為の組織なのですね。
あまり好ましい組織には思えないですね……。

モーティマ

まぁそういうなよ。
闇ギルドにはギルドのメンバーがやりすぎないように
制御する役割もあるんだ。

例えば、どっかの山賊が見境なく街道を通るヤツを
襲撃したとする……。

となると、その近くをなわばりにしている山賊は
獲物がなくなって困ることになる。

それどころか、山賊を討伐する部隊が差し向けられ、
やりすぎた山賊もろとも、その地域の山賊は全員が
成敗されちまうってわけだ。

だから闇ギルドがそうならないように
抑えてくれるのさ。って、こんなの常識だぜ。
政務官さんも意外と世間知らずなんだな。

アンナ

な、なんですって！

モーティマ

ただ、闇ギルドは魔物が復活してからは活動を
休止していたはずだが……。

山賊A

そ、それが、最近になって闇ギルドから
上納金を納めろと使者がやってきて……
実は俺らのアジトに居座ってやがるんだ。

モーティマ

なんだと！
わかった、俺が話をつけてきてやるぜ。

山賊A

気を付けてくだせぇ。
やつら魔物を連れてきてやがります。

アンナ

ま、魔物ですか！　私たちも一緒に行きます。
裏の世界のことはよくわかりませんが、魔物が
関わっているのならば見過ごすことはできません。

モーティマ

着いたぞ。
あの奥の小屋がアジトだ。

魔物

ギャギャー！

アンナ

魔物！！

モーティマ

ちっ、闇ギルドの魔物か。
仕方ねぇ王子！　やるっきゃねぇな。

モーティマ

さて、なんとか片付いたな。
闇ギルドの使者ってのはどこのどいつだ！

？？？

闇ギルドの使者ならば、すでに逃げていきましたよ。

モーティマ

だ、誰だてめぇは！

アイリーン

私の名はアイリーンと申します。
少し前まで闇ギルドにお仕えしておりました、
メイドでございます。

モーティマ

メイドぉ？　なんでそんな奴がこんなところにいんだ。

アイリーン

私がお仕えしておりました前ギルド長が
何者かに殺害され、その犯人を追って
この国に参った次第です。

アンナ

……殺された！？

モーティマ

なんだとっ、じゃあ今のギルド長は
前と違うってことかよ……！
そんな話聞いたことねぇぞ！

アンナ

と、とにかく場所を移しましょう。
ここにいてはまた襲われるかもしれませんし。

アイリーン

改めまして、私はアイリーンと申します。
少し前まで闇ギルドのメイドとして、
ギルドのメンバーの方々のお世話をさせていただいてました。

実は、先ほどお話ししたとおり、
闇ギルドのギルド長が殺されてしまったのです。

……ギルド長を殺した犯人はわかっています。
私も偶然その場に居合わせておりましたので。

私は何とか生き延びましたが、その時にしっかりと
相手の男の顔をみて覚えております。

その男こそ、新たな長として闇ギルドを
支配している現ギルド長なのです。

闇ギルドは本来、社会の裏側でしか
生きられない者たちの、
相互援助のための組織です。

しかし、新しいギルド長は、自らの野望を
満たすための私兵集団に作り替えようとしています。

その野望とは、この戦いが終結した後、魔物と共に
この世界に君臨すること……。

すでに闇ギルドは、魔物と結託して
多くの人々を苦しめていると聞きます。

前ギルド長では絶対に考えられないことです。
魔物が復活した際にも、無法者のギルドメンバーをまとめあげ
魔物たちに立ち向かおうとさえしようとしていました。

……ですが、その矢先に前ギルド長が殺されてしまって、
皆が協力して戦うことは実現しませんでした。

前ギルド長は、魔物を滅ぼして、街に安全を取り戻そうと
していたのに……。

前ギルド長の無念を晴らすためにも、闇ギルドがこれ以上
人々を傷つけないためにも、私に力を貸してください。

アンナ

魔物に協力するような新しい闇ギルドを
放っておくわけにはいきません。
アイリーンさんに協力させてもらいますよ。

アイリーン

ありがとうございます。
そ、それに闇ギルドは王子様にもご迷惑をおかけして
おりますので早く倒したほうが良いと思います。

アンナ

闇ギルドが……王子にですか？

アイリーン

あっ、ご存じなかったんですね。
闇ギルドは魔物に抵抗を続ける者のなかで
主要な人物に懸賞金をかけているんです……。

アンナ

あ、まさか王子にも！

アイリーン

はい。
手配書がこちらに……。

モーティマ

す、すげえ金額……王子の首を持って行きゃ、
こんな大金がもらえんのか！　さすがは王子だ。
こんなの一生かけても使い切れねぇ。

山賊

……ゴクリ。

アンナ

ちょっと、二人とも王子から離れなさい！

それより、アイリーンさん。
闇ギルドの使者は逃げたと仰いましたが
これからどうされるおつもりなのですか？

アイリーン

そうですね。皆さんのお力添えがあれば、
闇ギルドの支部に乗り込んで、
幹部を捕らえることも可能だと思います。

ギルド長の居場所は捕らえた幹部から
聞きだしましょう。
この先に闇ギルドの支部があるはずです。

兵士

報告！　前方から敵が迫ってきています！

アンナ

王子！　戦闘のご準備を！

闇ギルド幹部

……これより任務に入る。

シプリア

あれは……！　闇ギルドの暗殺部隊！
なぜここに……。

モーティマ

暗殺だとぉ？
なんだか知らねぇが、
おれが叩き潰してやるぜ！

シプリア

おい！　やめとけ！
あいつらは毒性の高い鉱物で作られた
特殊な武器を使いこなすんだ。

もっと厚手の鎧を着こんでから出直してきた方が
いいぞ。少しでも奴らの武器が体にふれたら……

そうだな、
普段よりも2倍の痛手を負うと思っておくんだな。

モーティマ

に、2倍……。
お、おめぇはどうすんだ？
俺よりも薄っぺらい装備のくせによ。

シプリア

私は避けるから平気。

モーティマ

ぐぬぬ……。

アンナ

もうあなたに逃げ場はありません。
すべてお話していただけますね？

闇ギルド幹部

……貴様らに話すことは何もない。

モーティマ

てめぇこら！
いい加減にしねぇか！
さっさとギルド長の居場所を吐きやがれ！

闇ギルド幹部

……。
（……そろそろあの装置が作動する頃だ。
　ターゲットが気を取られている間に排除する……）

兵士

報告！　魔物が現れました！

アンナ

魔物？！
なぜここに……！

アイリーン

ここからは私がこの方を説得します。
あなた方は魔物のほうをお願いいたします。

アンナ

そうですか。では、王子、
ここはアイリーンさんにお任せしましょう。
私達は魔物を！

アイリーン

……行きましたか。
それではギルド長の居場所を教えていただけますか。

闇ギルド幹部

小娘、貴様に教えることなどない。

アイリーン

それは、楽しみだ。
闇ギルド仕込みの尋問術をその身で味わうがいい。

覚悟はいいな。
大恩ある前ギルド長を裏切ったクズどもめ！

アンナ

王子！　こちらです！

魔物たちが向かってきています！
お気をつけてください！

兵士

うわぁぁぁあ。
牛頭の……魔物……っ！

ユリアン

あれは、ミノタウロス！
ちっ……やっかいな魔物だな。

王子！　あの牛の魔物だが、恐ろしくタフなやつだ。
だが、見ての通り、何も身に着けてないから
攻撃はよく通るはずだ。

アンナ

ようやく、魔物を撃退できたようです。
アイリーンさんの所にいそいで向かいましょう。

アイリーン

その必要はございません。
こちらも終わりました。
ギルド長の居場所はわかりましたよ。

アンナ

本当ですか！？
一体どうやって……。

闇ギルド幹部

あ、あう……た、助け……。

アイリーン

（余計なことは、しゃべるな
　……消すぞ！）

闇ギルド幹部

ひえ、ゆるしてくれ！

アイリーン

それでは、ギルド長のアジトへ向かいましょう。

アンナ

……。

海賊

おい！　てめぇら！
ここは闇ギルドの幹部でここらの海賊を取り仕切る
黒シャチ海賊団のシマだ！　通行料を払いな！

……もちろん通行料っていっても、
そんな安くねぇぞ。
船も丸ごと俺らに渡せって意味だっ！

アンナ

貴方達が最近暴れてるという
海賊団ですね。
今すぐ乱暴な行いを改めてください。

海賊

ほう。俺らに逆らおうとは、
見上げた根性だな。面白いじゃねぇか。

俺らが海の戦いってもんを教えてやるよ。
もし、万が一、俺らに勝てたら、
見逃してやるぜ。

ミネルバ

王子、気を付けた方がいいわ。
あいつらは、魔物が復活してからもずっと
この海域で活動している実力のある海賊団よ。

それにここ最近は、さらに力をつけてきてるという
噂を耳にしたわ。ひょっとしたら、新しいギルド長と
何か関係があるかもしれないわね。

海賊

なにごちゃごちゃ相談してんだ。
野郎どもかかれ！

アンナ

王子！　向かってきます！
お気を付けください！

海賊

キャプテン！
これがギルド長からこの間支給してもらった、
特製の弾丸と火薬でさぁ。

あれだけ上納金を払ってますから、相当の威力が
あるに違いないですぜ。ある程度様子見したら、
それで一気にケリつけちゃってくだせぇ。

海賊

くっそぉ……。海で俺たちが負けるなんて……。

アンナ

約束通り、
これから一切の海賊行為はやめてくださいね。

海賊

はんっ！　そんな口約束してねぇ！

ケイティ

そうですか……。
ではあなた方の船は没収いたします。

海賊

なっ……！

ケイティ

海での生き方なら
あなた方のほうがお詳しいでしょう？
ならば、船がなくとも問題ありません。

海賊

そ、そんな……。

ケイティ

それが嫌なら、二度と海賊行為はしないと、
きちんとお誓いください。

海賊

は、はい……。

アンナ

どうやら無事に解決したようですね。
では、王子、戻りましょうか。

レダ

王子、こっちこっちー！

アンナ

レダさん。ここでギルド長をみたのですか？

レダ

そうなのよー。アジトまで行く手間省けると思って、
王子を呼んだんだよね！　あたしって気が利くぅ！

アンナ

ここは……採掘場ですか？

レダ

ここは闇ギルドの幹部たちが使っている
特殊な武器の原料が採れる場所なのよ。
だから、ギルド長もよくここに出入りしてるみたい。

アンナ

原料？

レダ

そ。闇ギルドの幹部たちの武器って毒性の強い
鉱物を元に作られてるんだよね。

すごく貴重な鉱物だから、
闇ギルドの資金源にもなってるってわけ！

ユリアン

へぇ。奴らから受けた傷がやけに痛いのは
そのせいか。王子、その鉱物を使えば、
軍備を強化できるかもしれないな。

アイリーン

それはやめた方がよろしいかと思います。
毒性が強いので、普通の人間が長時間持つと、
身の危険を伴います。

取り扱いの仕方も闇ギルドの暗殺部隊にしか
知らされていないんです。そんな危険を
冒すほどの価値はあの武器にはないでしょう。

しかし、世の中には自分が滅んだとしても
自分の手で倒したい相手がいる人もいるようで、
この危険な武器が高値で取引されているのです。

モーティマ

なるほど、高値で……ねぇ。

闇ギルド幹部

……侵入者を確認。
魔物たちよ、いち早く奴らを排除しろ。
ここを部外者に知られるわけにはいかない。

魔物

ギャギャー！

アンナ

王子、闇ギルドの魔物たちです！
迎撃の準備を！

アンナ

どうやらここにはもうギルド長はいないようですね。

レダ

うーん。残念……。
やっぱりアジトに乗り込むしかないかー。

アンナ

レダさん、気を落とさないでください。身の危険を
かえりみずに、闇ギルドの情報を伝えて頂いたので、
彼等の資金源を断つ事が出来たわけですし。

レダ

いやー！　そんなぁー！
シーフのあたしだから出来る事をしたまでだよ！

ユリアン

なるほどな。確かにシーフだから出来る事だな。
で、その袋に入れてるのはなんだ？

レダ

え、えっと……。
これは……その……。

モーティマ

信じられねぇ！
鉱物をこっそり売って金儲けしようとしたんだろ！
まったく……！　油断もスキもねぇな。

ユリアン

ほんとにな。
で、モーティマのおっさんが、
ズボンに隠してるのはなんだ？

モーティマ

……。
えーっと……。

アンナ

……はぁ。
王子、先へ進みましょうか。

アイリーン

私の調べによれば、今の闇ギルドのアジトは
このあたりにあるようです。

シプリア

こんな荒れ果てた土地に人が……？
見たところ魔物に滅ぼされた街のようだな。
人も寄り付かないんじゃ仕事なんてなさそうだけど。

セシリー

住民の財布からお金をくすねるなんてケチな
仕事はしてないってことでしょうね。

兵士

報告！　前方から敵の姿を確認！

セシリー

王子、気を付けて……。
ここは奴らのアジト……。
地の利は彼等にあると思ったほうがいい。

アンナ

ふぅ。なんとか突破する事ができましたね。
アイリーンさん、闇ギルドのアジトへの入り口は
どこなのでしょう。

アイリーン

幹部の話だと、地下水路の奥にあるようです。
参りましょう。

アイリーン

見つけました。
ここがギルド長のアジトのようです。

ギルド長

お前は……。そうか、あの時のメイドか。
一部の者しか知らないはずのこの場所を突き止める
その執念は、闇ギルド仕込みと言ったところか。

アイリーン

前ギルド長が家族のように愛した
闇ギルドをこんな風にしてしまうなんて……。
今の闇ギルドは、まるで魔物の手先です。

ギルド長

あのお人好しで能無しの奴が築き上げたものなど、
取るにたらん。闇ギルドの勢力は奴が治めていた
時代とは比べ物にならない程、増している。

アイリーン

……！

ギルド長

すでに俺の元には、あいつの代では到底集める
ことのできなかった潤沢な資金と、闇ギルドの規則に
忠実な構成員が集まっているんだ。

魔物の手先といったな？　笑わせるな。
俺はむしろ魔物の力を利用し、この世界を支配する。
俺の作ったこの新しい闇ギルドでな……っ！

アンナ

そんな事はさせません！

ギルド長

ん？　どうやら英雄の末裔も一緒のようだな。
標的が向こうからやってくるとは都合がいい。
懸賞金を払う必要もなくなるというものだ。

ここで王子を倒せば、闇ギルドはより一層盤石な
組織となるだろう。
暗殺部隊よ、指令だ。王子を抹殺せよ。

闇ギルド幹部

……承知。

アンナ

王子、向かってきます！
私たちも戦闘の準備を！

ギルド長

くっ……、このまま、お前たちの手に
かかるくらいなら、俺は自ら死を選ぶ……っ！

アンナ

……！
何をするつもりですか！？

ギルド長

……。

アンナ

そんな……。自ら命を絶つなんて……。

セシリー

これは毒入りの瓶……。
案外、潔かったな、もっと見苦しい最期を
期待していたのだが。

モーティマ

仕方ねぇな……。
ま、ギルド長がいなくなれば、
今の闇ギルドもしばらくなりを潜めるだろう。

アンナ

……そうですね。これで闇ギルドに悩まされていた
方々も解放される事でしょう。
アイリーンさんはこれからどうされるんですか？

アイリーン

まずは前ギルド長の墓前にご報告をしてまいります。
それから先のことは考えておりません。

アンナ

もしよかったらですが、
私達の所へいらっしゃいませんか。
ぜひ王子に力を貸してください。

アイリーン

そうですね、今回は王子たちにはとてもお世話に
なりましたし、今度は、私が王子の軍の方々の
お世話をさせていただきます。

では、皆さまは先にお帰りください。
私も用事を済ませましたら参上させていただきます。

どうぞお気をつけて。

アンナ

はい、アイリーンさんも。

ギルド長

……。

ククク、行ったか。
愚か者どもめが、この瓶の薬が仮死状態になる
薬とも気づかずに。

やつらのせいで、我が闇ギルドも痛手を
負ってしまったが私が死んだと思ってくれれば、
活動しやすくなるというものだ。

それにしても、いまいましい王子め。
やつを倒さねば我が野望も危ういな。
これから定期的に刺客を送り込んでやろう。

そうだなぁ。最初は……。
例の暗黒騎士団と手を組むのも面白いな。
やつらに闇ギルド特製の毒の武器を渡して……。

はっ！
誰だそこにいるのは。

アイリーン

やっと目を覚ましたか、待ちくたびれたぞ。

ギルド長

き、貴様なぜここに！

アイリーン

あの薬が仮死状態になるものだとは最初から
わかっていた。

ギルド長

なんだと。
で、では、なぜ……！？

アイリーン

なぜ、先に王子たちを帰したのか
ということか？

あの方々がいっしょだと、貴様のような外道に
ふさわしい死に様をくれてやれないからだ。
王子たちは優しいからな……。

ギルド長

くそっ…、く、来るな。
か、体が……まだ完全には動かないんだ。
お、俺はまだこれからの男なんだよ。

アイリーン

いえ、あなたはここで終わりです。
ごきげんよう。

ギルド長

……ぐ……ぁぁぁ。

レダ

お！　ここにも鉱物が……。

モーティマ

てめっ、それは俺のだ！

アンナ

いい加減になさい！

ミランダ

ここのようですね。
やっとたどり着けました。

マリーベル

さすが闇ギルドって言ってるだけあって、
なかなかしっぽを掴ませてはくれなかったわね。

ミランダ

ん？　あれは……。

モーティマ

ん？　なんだいお嬢さん方。
こんな似つかわしくないところに何か用ですかい？

ミランダ

正義の名のもと、
この闇ギルドを取り締まりに参りました。

モーティマ

おお。それなら今、俺たちが……。

マリーベル

その鉱物は……っ！
闇ギルドが秘密裏に取引していたもの。
まさかあなたたち、幹部かなにかなのかしら？

レダ

え、ちょっとまってよ！
あたしは王子の手助けを……。

ミランダ

まさか！　王子まで闇ギルドに手を貸していると！

モーティマ

おめぇ話をややこしくするんじゃねぇ！
よお、まずは話し合おうぜ。
俺は山賊頭のモーティマだ。

レダ

あたしは泥棒のレダ、こう見えても腕がいいのよ。
どっちも王子の仲間なの。

マリーベル

山賊と泥棒……、王子の仲間……。
すべてはっきりしました！

悪の権化たる闇ギルドの者たちよ！
聖なる裁きを受けなさい！

マリーベル

なーんだ。そういうことだったの。

ミランダ

では、もう心配いらないのですね。

アンナ

はい。ギルド長も亡くなり、
闇ギルドは崩壊しています。
闇ギルドの幹部もいずれ散り散りになるでしょう。

ミランダ

もしなにか動きがあるようなら私たちが
取り締まるので問題はないですが……。
王子が闇に染まってなくてよかったです。

マリーベル

誤解して悪かったわね。
それじゃ私たちは行くわ。崩壊したとはいえ、
残党がまだそこらへんにいるかもしれないしね。

アンナ

お気をつけて。またお会いしましょう。

闇ギルド残党

ギルド長が死んだ今、次に闇ギルドの
トップになるのは俺だ……！

あれは……ギルド長を殺ったやつらか？
丁度いい。あいつらを倒せば、他のやつらも
納得してねじ伏せられる……！

兵士

報告！　前方から敵多数確認！

アンナ

これ程までに闇ギルドの残党がいるとは……。
これで大人しくなってくれればいいですが……。

モーティマ

闇ギルドは元々あちこちに拠点をもっているからな。
……まぁトップは死んだんだ。
しばらくは大丈夫だろうよ。

アンナ

そうですか。それなら、しばらくは安心ですね。
王子、では、戻りましょう。