ケイティ
さぁ皆さん、準備は宜しいですか?
兵士
はい、ケイティ先生。
せ、先生だなんて……。 ……コホン。とにかく先程の講義で解説した陣形を 再現できるよう、規律正しく動いてくださいね。
了解です、ケイティ先生。
も、もう……先生ではなく臨時講師だと 何度も言っているではありませんか……。
フィリス
--とか言って、本当は嬉しいくせに。 朝礼台に上ると途端に顔つきが変わるもんな。
ソーマ
ふふっ、戦術教官の血が疼くんでしょうかね?
そこのお二人、私語は慎むように。 それとフィリスさん、貴方には後ほど 隊列を率いてもらいますからね。
は、はい! ケイティ先生!
アンナ
--お疲れ様です、皆さん。 ケイティさんも、臨時講師お疲れ様です。
アンナさん、王子。 ご見学にいらしたのですね。 ……そうだ。 もし宜しければ、軽くお手合わせ願えませんか。 生徒たちへの指導の成果を確認したいので。
王子
…………(こくり)
ありがとうございます、王子。 ……それでは生徒の皆さん、 私が指示する通りに動いてくださいね。
はい、ケイティ先生!
ジョヴァンニ
……ハァ、ハァ。 や、やっと撒いたか?
子分
ひぃぃッ! 駄目だ兄貴、また追いついてきましたぜ!
レーレン
--こらーっ! 待てお前らー!
のわッ!? マジかよっ!? 先生のくせになんつー足の速さだ! と、とにかく逃げるぞ! 適当に撒いたあと、あの隊列に紛れるんだ!
--そこまで! ご協力ありがとうございます、王子。 皆さんもお疲れさまでした。
…………。
……え、先生姿が様になっている? も、もう……王子までそんなことを……。
ですが、王子の仰る通りです。 さすがは戦術教官殿、といったところでしょうか。
私もそう思います。 ケイティ先生の授業、すごくわかりやすかったです。
……みんなこう言ってることだし、 今後もたまには教壇に立ったらいいんじゃないか? なぁ、ケイティ先生?
で、ですが……(ちら)
……そうですね。 王子や皆さんにそう仰っていただけるのでしたら。
決まりですね。 今後も機会がありましたら、宜しくお願いしま--
--ひぃぃッ! は、離してくれよ先生……。
ダメだ。 授業で使うチョークを遊びで折りまくった罪、 きっちり反省させてやるぜ!
……大変そうですね。 先生のお仕事というのは。
ですが、復興を目指す王国にとって 教育は欠かすことのできない事業だと思います。 ……私もできることがあれば 微力ながらお手伝いをさせていただく所存です。 今後もより一層、皆で学園を盛り上げていきましょう。
???
未編集
王子、報告にあった小屋が見えてきました。 魔物が暴れているというのはこの辺りのようですね。
クレア
--待って、みんな。なにか聞こえる。 これは……銃声?
オ~ッホッホ! 最高ねぇ! アナタが作ったこの『ガトリング』とかいう銃は。
ゴブリン博士
光栄にございマス。 そちらは最新のねじ巻き式の機関銃デス。 その他にモ腕が変形して火炎放射器になるナド、 クイーン様の麗しき機会のボディーは 多数の優れた機能を搭載しておりマス。
……『クイーン様』? では、ゴブリン博士の傍にいるのは……!
メカゴブリンクイーン
ウフフ……来たわね、王子。 アナタたちが来るのを待っていたのよ。 ……理由? そんなの決まってるじゃない、 死の淵から蘇った新しい私を見てもらうためよ。
確かにクイーン様はかつて瀕死の重傷を負われタ。 ダガ、その不屈の精神とワタクシの改造手術にヨリ、 以前よりもさらに強く、美しく生まれ変わったノダ!
美しい……? 確かに凄い技術ですが、美しいかどうかは……。
な、何を言ウ!? この洗練サレタ機能美が分からんトハ--
--下がってなさい、博士。 野蛮な人間たちにワタシたちゴブリンの 崇高なる美的感覚が判るはずもないわ。 さぁて……覚悟なさい、人間たち! ワタシの快気祝いに相応しい、 無様な踊りを踊らせてあげるわぁ!
ウフフ……今日のところはこんなものかしら。 博士、引き上げるわよ。
ゴブリン軍、撤退していきます。
皆さん、お怪我はありませんか?
はい、大丈夫です。 それにしても凄い技術でしたねぇ。 身体の一部を機械にしちゃうなんて。
ええ……ゴブリン博士の技術力は 日増しに高まっているようですね。
それに、ゴブリンクイーンが復活した今、 ゴブリン軍の情勢は再び変化していくはずです。
今後もゴブリンたちの動向には 注意を払う必要がありそうですね。 ……それでは皆さん、帰還いたしましょう。