???
しつれいしまーす……?
アンナ
……あら? どちらさまでしょうか?
シュシュ
あっ、ご挨拶が遅れました。 私はシュシュと申します。 王子さまがこちらにいらっしゃると伺ったのですが……。
これはこれは、ご丁寧に。 シュシュさん、王子にどのような御用なのでしょうか?
はい……実は故郷の長老の命で、 とっても強い人を探していまして……。
とっても強い人……ですか?
それもとびっきり強くて素敵な人を、です。 何しろどんなことが起きるのか分からないので……。
……詳しく聞かせていただけますか?
長老の予言によれば、遠くない未来に、 故郷に災いが降り掛かってくるとのことなのです。 そしてその災いを振り払えるのは、 ただ強いだけでなく、 誰もが憧れるような英傑だけなのだそうです。 ですから私は、王国で一番強くて素敵な人を--
ユリアン
強くて素敵だって? それなら俺の剣技を忘れてもらっちゃ困るな!
キャリー
日々鍛錬を続けている私だって、 絶対に負けていませんよ!
そんなこと言って、この前の訓練だって、 馬に乗るんじゃなくって、馬に乗せられてたじゃないか。
むむむむむ! でも一番は絶対譲りませんよ!?
……白熱してしまっているようですね。 何しろ王国の皆さんは精鋭揃い、 簡単に誰が一番かを決めることなんて……。 ……えっ? さすがは王子、名案です! 王国在住の皆さんに、 投票で決めてもらえば、一番が分かりますね!
えっ? えっ? と、投票……? あの、私は一番の人が分かればそれで……。 いえ、でも確かに投票なら、強いだけじゃなくて 素敵な人が見つかるかもしれません……。 ここはひとつ、お任せしてみましょう……!
それでは、さっそく投票の準備をいたします。 ぜひ王子も投票をしてくださいね。
あっ、王子さま! もしかしてこれから投票ですか?
王子、ただいまグループBの投票が、 開催中とのことです。 グループAも激戦でしたが、 グループBも中々に、波乱の予感がしますね……。
王国の皆さんの熱気にあてられて、 私も耳がぴこぴこしちゃいます……! 私も投票しに行きたいのですが……うぅぅ~。 皆さん素敵すぎて迷っちゃいます……っ!
王子はどなたに投票するか、 もうお決まりですか? 投票には期間がありますから、 忘れないようにしてくださいね。
王子、グループCの投票が始まりました。 グループA、グループBともに、 参加している皆さんも、 応援の皆さんもとても盛り上がっていますね。 …ところで王子、 実は私も人気闘兵に参加しているんです。 私は政務官ですからと、お断りしたのですが、 シュシュさんがどうしても、と推すものですから……。 でも、参加したからには私も頑張ります。 ここはひとつ、歌って踊ってみたり……。 ……あ、い、いえっ! 何でもありません! それでは王子、応援している方がいましたら、 締切前に忘れずに投票してくださいね。
いよいよ決戦闘兵が始まりますね。
城下町の方でも大騒ぎみたいですよ? 誰が一番になるかって、 皆さん一歩も譲らないようで……。
投票される本人たちよりも 盛り上がっているようですね! しかし、城下の皆さんまでこんなに楽しく 騒いでいるのを見ると、 魔物が復活する前のことを思い出しますね。 シュシュさん、こんなお祭りのきっかけを 作ってくださって、本当にありがとうございます。
わ、私は何もしてませんよ!? 一番強くて素敵な人を、探しに来ただけですし……!
そうは言いつつ、 開票作業も手伝ってくれていますよね。
それはもう! どうせなら楽しいお祭りがいいなーと思いまして!
しかし、これまで国を挙げて盛り上がっていると、 政務官としても何か、 お祝いの品を用意したいところですね。
上位陣には、商人の方々が、 何か賞品を用意しているそうですけど……?
はい、なので私は、 もっと多くの方にチャンスをあげられないものかと。
もっと多くの人にですかー……。 うーん、何かキリの良い順位がいいですよねぇ……。 --って、王子さま、どうしたんですか?
……えっ? 王子、今なんと? わ、私の誕生日にちなんだ順位の者に、ですか!?
さすが王子さまです! アンナさんがあげる賞だから、 アンナさんの誕生日ってことですね!
私の誕生日は12月28日なので……そうですね、 『12位』と『28位』の方に、 政務官賞をお贈りすることにしましょう。 では王子、最後の投票へ参りましょう!