ロヴィニア
大変大変! 大変なんだよ王子ー!! ……えっ、窓から入ってくるなって? そんなこと言ってる場合じゃないの! 緊急事態なんだからー!! 実は世界樹には『神獣ガルダ』が眠るとされる、 封印の地があるんだけど、 最近そこに住む獣達が凶暴化してるみたいなんだ。 封印の地にはね、昔から強い風が、 止むことなく吹き荒れているの。 だから、マイコニドやアルラウネみたいな、 胞子を撒き散らす魔物は入り込めなくて、 風を好むグリフィンや、獣人達が住んでたんだけど……。 最近になって、 封印の地にいるはずの連中が、棲家を離れて、 集落に現れて暴れるようになっちゃったんだ。 だから腕利きの射手が、 封印の地の調査に行ってみたんだけど、 --そこで、巨大な鳥の影を見たらしいんだ。 もちろん世界樹の射手だからね、 見の危険を感じて、 即座に弓を射ろうとしたんだけど……。 でも大きな鳥の巻き起こす風が、あまりに強くて、 弓を構えることすら難しい状態だったらしいよ。 そしたら、その巨大な影の発した光に巻き込まれて、 気付いた時には、 世界樹のふもとに移動していたんだってさ。 この光については、キミの方が詳しいんじゃないかな? たぶん他の神獣の『神の威光』に似たものだと思う。 大いなる風を巻き起こす、巨大な神鳥の伝承。 そして瞬時に敵対者を彼方へ移動させる光……。 つまりはね、信じがたいことなんだけど、 射手の報告を信じるなら、 『神獣ガルダ』が復活したとしか思えないんだ。 お願い、王子。 世界樹の皆だけじゃヤツを抑えきれないの。 キミが力を貸してくれたら……。 ……ほ、本当!? ありがとう王子! ほんっとーにありがとうっ!! ……でも、もし相手が本当にガルダだとすれば 決して気を抜けない戦いになる筈だよ。 いくら王子とは言え、注意は怠らないようにね。 調査に向かった射手の話では、 奴が空を羽ばたいている間巻き起こる「強風」の中では、 矢を真っすぐ射ることさえ難しいって話だよ。 例え風水士の皆といえど、その風がいつ切れるかを 読み切ることは難しいと思う。 風を止めるには奴自信をなんとかしないと……。 それに、あそこにはグリフィンも多く棲息しているんだ。 風に乗ったグリフィンの急襲にくれぐれも気を付けて。 空を飛ぶ敵への対策は念入りしたほうが良さそうだね。 もし強風の中でも正確に敵を射抜きたいなら、 悪天候での射撃に長けた者の力が必要になると思う。 もちろん、私達レンジャーの力も頼ってね! それじゃあ王子、敵はあの『神獣ガルダ』だ。 どれだけ注意しても足りないくらいだから、 ほんっとーに気をつけて!
ここが封印の地の近く、 射手が巨大な鳥の影を見たって言ってた場所だよ。
バシラ
こんな枝の上だったんですね……。 お、落ちたら真っ逆さまですよ……!?
ケイティ
風も強くて、危険極まりない場所ですね……。 本当にこんな場所に、獣が棲息しているんですか?
キャロップ
世界樹に住む獣にとっては、 この辺りはまだまだ安全圏なんだよ。 もっと危険な場所だってい~っぱいあるんだよ?
この場所より危険な場所が、い、いっぱいですか!? 想像したくないですね……。
リュクス
んっ……皆さん気をつけてください。 大きな羽撃きのような音……これは……!
くぅっ……皆大丈夫!?
す、凄い風でしたぁ……あ、あんな強風じゃ、 正確に射抜くなんて無理ですよっ!
今のが神獣ガルダ……確かに巨大な神鳥だけど、 でも、伝承に聞いてた姿とは少し違うような。 ……ううん、今は気にしている場合じゃなさそうだね!
アンナ
このまま放置すれば、 周囲の集落にも被害が出てしまいます。 ここでなんとしても食い止めねばなりません。
シュシュ
……わ、わわっ! ガルダの気配を察知して、 周囲の獣達も集まってきたみたいです!
ガルダに加えて周囲の獣達も相手にする 必要があるとは……せめて奴の風が、 獣達の妨げにでもなってくれれば……。
元々風の強いこの地に住んでいた獣にとって、 風は特に障害になりそうにはないかな。それどころか、 風を受けた魔物が思いもよらぬ速度で襲ってくるかも!
このあたりにはグリフィンも多く棲息しています。 風を受けたグリフィンの速度は脅威です、 くれぐれも敵の急襲にお気をつけください!
世界樹の為にも、ここで退くわけにはいきません。 王子、急ぎ戦闘の準備をお願いします!
???
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