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マイン
ちぇっ、さっきはその……ごにょごにょ……。
ティニー
もう、素直に謝りなさいマイン。 間違いとはいえ地雷はやりすぎよ。
ぐ、ぐぬぬ……ご、ごめんなさい。 でも、悪いのは誤解を招く言い方をした、 グスタフのジジィの方だからな! 忘れんなよ!
はいはい。 ともかく王子、よく来てくれたわね。 王子たちに助力を要請したのは、他でもないわ。 新たな『浮遊石』の鉱脈が見つかったからなの。
ドワーフの王国では、 魔物の活動が緩やかになったのを契機に、 居住区の拡張や、新たな採掘場の探索をしてんだ その最中に、手付かずの 浮遊石鉱脈を見つけちまったってわけさ。
マインが見つけてくれたのよね。 この子の発破技術はドワーフにも負けない、 一級品の腕なんだから。
ぐ、偶然だし。偶然。 ティニーが目利きしてくれなかったら、 あの鉱脈ごとふっ飛ばしてたわけだし……。
はいはい。そういうことにしておくわ。 というわけで、見つけたその『浮遊石』を、 王子たちに引き取ってもらいたいのよ。 浮遊石は然るべき加工を施すことで、 浮力を発生させる特殊な鉱石よ。 色々な用途に使える便利な鉱石なんだけど、 それ故に、軍事転用を目論む者もいるの……。 その点、王国なら安心して預けられるでしょう? だからドワーフの国で使う分を確保したら、 残りの『浮遊石』を預かってくれないかしら? ……ふふっ、ありがとう王子。 ちなみにマインが採掘場への道案内をするから、 この子のこともよろしくね?
ぐぬぬ、爆破しそうになったお詫びだ、 仕方ないから案内くらいしてやるよ。 その、えぇと、あらためて、よろしくな……?
--そう、メカゴブリンクイーンには 逃げられてしまったのね……。
すまねぇティニー。 アタシがついていながら……。
いいえ、マインが謝る必要はないわ。 これは警備が手薄だった、 ドワーフの王国全体の責任なのだから。
でも……!! ゴブリン軍団に『浮遊石』を奪われっぱなしなの、 やっぱり許せねぇんだ……!! 頼むよティニー……アタシが、 『浮遊石』を取り戻す旅に出るのを許してくれ!
本気で言ってるの……? あなたは発破技術は一人前だけど、 職人としても戦士としてもまだ半人前で-- --いいえ、その目は本気みたいね。 でも一人で行かせるわけにはいかないわ。 王子、この子を王国に居候させてくれない?
お、王国に……? いいのか……? ……へへっ、ありがとよ、王子! そうと決まったら急いで準備してくるぜ!
--大慌てで飛び出して行ったわね。 ありがとう。王子にだったら、 安心して私たちの養娘(むすめ)を預けられるわ。 ……えっ? 私の娘なのかって、 ち、違うわ! 違うから!! この王国の職人皆が、 あの子の親代わりみたいなものなの。 一番目をかけてるのはグスタフだけれどね。 もっと詳しく聞きたかったら、 マインに直接尋ねるといいわ。 私から言うことでもないしね。 あ、それから王国に戻る時には一声かけてね。 約束通り、前もって採掘していた分の 『浮遊石』を貯蔵庫から持ってくるから。 王子たちなら、 きっと有効活用してくれるでしょう? それじゃあ王子、『浮遊石』のことと、 何よりマインのこと、よろしくね?