？？？
未編集
エレーヌ
……あらためて、さっきはありがとう。 それと、私たちの国……都市国家の 要請を受けて駆けつけてくれたことも。 今回の依頼……各地を荒らす巨人の撃退。 実は……残念だけど私は同行できない。 警備隊長として城壁の警備にあたらないといけないから。 代わり……というのも変だけど、 私の友人のルミアンが皆を案内してくれる……はず。 この子は私より、 巨人が出現した場所の情報に詳しいから。 ……あとは頼んだよ、ルミアン。
ルミアン
すぅ～、はぁ～、すぅ～、はぁ～……。 ……ふぇっ？ も、もうボクが話す番なの？ え、えと……巨人たちは最近、何かを探すような活動を 都市国家の周囲を初めとする各地で始めてまして……。 そのせいで各地に被害が出てるんです。 でも、都市国家の兵隊さんたちは 国の防衛とか被害を受けた地域への支援で手一杯で……。 だからその、前に巨人たちに襲われた時に 協定？ を結んでくださった王国の人たちに 巨人を退治して頂こうって話になったんですけど……。 ……すみません、勝手な話ですよね。 でも、ボクたちには他に頼れるものもなくて……。 こう見えてボク、鍛冶師の見習いなんですけど、 ボクが修行をさせてもらってる工房の師匠も 目の前で巨人に襲われて、ひどい怪我を……。 だからボク、正直に言うと巨人がすごく怖くて……。 そんなボクが他の国の人たちを 巨人と戦わせるために案内するなんて……。 うぅ……か、考えただけで震えが……。 ……で、でもでもっ！ ボクが案内しないともっと多くの人たちが傷つくし、 王子さまたちはとっても強いって聞きました。 ですから……お願いします、王子様。 ボク……なんでもします。一生懸命案内します。 だから、どうか巨人退治にご協力いただけませんか？
－－お疲れ様、王子。 巨人たちを撃退してくれて、本当にありがとう。 おかげさまで、各地での被害報告は沈静化した。 いずれ来る巨人の侵攻に向けて、 私たち都市国家の軍は防衛の強化にあたるつもり。
えと……ボクは城壁の強化や武具の準備の お手伝いを通じてエレーヌたちに協力する予定です。 ボクが働いてる工房は、今後も引き続き 都市国家の防衛に協力していく方針なので。 王子様、このたびは本当にありがとうございました。 ですから……ぐすっ……どうかお元気で……。
……ルミアン、無理しないでいい。 王子たちのところに行きたいのはわかってる。
……え？ い、いいの……？
鍛冶職人の担当作業が終わった後は、 王国に行って王子たちに協力するといい。 親方には……私から話しておく。 ……悔しいけど、今の都市国家の戦力では 神獣ヘカトンケイルを加えた巨人の勢力に 単独で太刀打ちするのは難しい。 ヤツらの侵攻から国を守るために、 私たちはもう一度、王子たちに 協力を仰ぐことになると思う。 それに、ルミアンは王子たちと一緒にいたことで 前よりもずっと成長した……強くなった。 だから……王国に行って王子たちの軍の戦力増強に 努めてもらった方が、ルミアン自身の成長にも、 巨人に対抗する戦力の底上げにも繋がる……と思う。
エレーヌ、ありがとう……。 ……王子様。ボク、王子様の国に行ってもいいですか？ …………えへへ、ありがとうございます。 それじゃあ、担当する作業が終わって師匠から お許しをもらえたら、すぐに王国に向かいますね！ ……え、お風呂は女の人と一緒でいいか？ も、もうっ！ 何度も言ってますけど、 ボクはれっきとした女の子ですっ！
