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#style(class=split){{
#region(ネタバレ注意)
//=========================
#region(1:淀んだ空気)
//==================
#region(1:開始時)
兵士
 魔物が現れたという報告があったのは
 この地点です!

アンナ
 王子、魔物の気配はすぐそこです。
 戦いのご準備を。

フィリス
 よし! 気合、いれてくぞ!
 ……って、あれ?

ケイティ
 どうかなさいました?

フィリス
 いや、なんでだろう……。
 これから戦いだっていうのに、
 いまいち気分がのらないっていうか……。

ケイティ
 フィリスさん、何をふざけたことおっしゃって……、
 って……、たしかに、力が……抜けていく
 ような……?

ロイ
 いけませんな……っ。ここら一帯の空気に、
 何やら不穏なものを感じますぞ。

ゴブリン
 ギャギャッ……。
 アイツの、オカゲ……、
 コレデ、オウジ、タオせる……。
 
 モウ誰にもヨワイなんてイワセナイ!

アンナ
 皆さん! ゴブリン達です!

フィリス
 くっ……。
 こんな状態で……。
 でもやるしかないみたいだな。

アンナ
 王子! 敵が来ます!
#endregion(1:開始時)
//==================
#region(1:終了時)
ゴブリン
 ――ギャッ!
 ツ、ツヨイ……タイキャク……!

アンナ
 なんとか退けられましたね……。

フィリス
 それにしても、
 なんで急に力が入らなくなったんだ?

ケイティ
 理由はわかりませんが、
 いったん戻り、態勢を立て直しましょう。

ミトラ
 ……おや?

フィリス
 どうしたんだ、ミトラ。

???
 ――ま……ママ……。

ケイティ
 あなたは一体……。
 そこで何をしているんですか!?

レヴィ
 ……わたし? わたしはレヴィ……。
 ママをさがしてて……。あなたはママ?
 
 違う……。
 ママ……、わたしを置いて帰って
 しまった……の?

フィリス
 何を言ってるんだ?
 ――って、おい!

ケイティ
 行ってしまいましたね。

アンナ
 ゴブリンの残党に、
 襲われなければいいのですが……。

ミトラ
 ……。
#endregion(1:終了時)
//==================
#endregion(1:全体)
//=========================
#region(2:呪術師の呪い)
//==================
#region(2:開始時)
???
 ウフフ……。
 久しぶりに地上界に戻ってきたけれど、
 やはり魔界とは勝手が違うわね。

ゴブリン
 ゴブリンクイーンさま……。
 ニンゲン、ツヨイ。マタ、マケタ……。

ゴブリンクイーン
 仕方ないわ。ゴブリン種は最弱の魔物だもの。
 でも、心配いらないわ。この呪術師がいれば、
 誰にだって勝てるようになるのよ?

ゴブリン
 ギャギャッ! ニンゲン、ヨワル!
 オレタチ、カテル! オレタチ、ツヨイ!

ゴブリンクイーン
 ウフフ……そう、アナタ達は強いの。
 ワタシ達ゴブリンは人間などに負けないわ。
 そうよねぇ、レヴィ?

レヴィ
 うん……ママ。

ゴブリンクイーン
 ウフフ……そう、ワタシがあなたのママよ。
 さあレヴィ。ママをいじめる悪いやつらに、
 お前の呪いをかけておやり。

レヴィ
 うん、わたし、がんばるよ。
 だからママ。
 今度は……置いていかないでね?

ゴブリンクイーン
 ええ、もちろんよ。
 ワタシのかわいいレヴィ。
 アナタは自慢の娘ですもの。

ゴブリン
 ギャギャギャ。さすが、ゴブリンクイーンさま。
 ニンゲン、アヤツること、デキル……!

レヴィ
 ママ、わたし、行ってくるね。
#endregion(2:開始時)
//==================
#region(2:戦闘中)
アンナ
 あなたはこの前のレヴィさん、でしたよね?
 ここはとても危険です。
 はやく、私たちのところへ……。

レヴィ
 あなたたちが……。
 ママを狙う、わるいやつら……。
 わたしの呪いで、みんな、死んでしまえ……!

アンナ
 え? あの女性は……!

フィリス
 あの娘、やっぱり様子がおかしいよ……。
 また……、力が入らなくなってきた……。
 どうしてなんだ、ちくしょうッ……!

アンナ
 王子、戦闘は避けられません! ご準備を!
#endregion(2:戦闘中)
//==================
#region(2:終了時)
レヴィ
 ……ふん、まだまだこれからなんだからね。
 みんな、すこし後ろにさがって。

ゴブリン
 ギャギャッ。サガル。テッタイ。

レヴィ
 みんな、いいこね。

フィリス
 ゴブリン達と一緒に逃げていくって……、
 嘘だろ?

アンナ
 とにかく追いかけましょう、王子!
#endregion(2:終了時)
//==================
#endregion(2:全体)
//=========================
#region(3:呪術師再び)
//==================
#region(3:開始時)
兵士
 民家近くにゴブリン達を発見!

アンナ
 被害が出る前に、至急迎撃を!

フィリス
 あぁ、もう! やっぱり力が抜ける……。
 そろそろどうにかしないと……!

レヴィ
 ……わたしの呪いは完璧。
 みんな、ぜったいに勝てるよ。

ゴブリン
 ギャギャッ! カテル! カテル!

ミトラ
 ……やはりそういうことか。

アンナ
 どういうことですか?

ミトラ
 ここ一帯の大気の淀み。皆の力の低下。
 すべての元凶はあの娘の仕業ってわけさ。

ケイティ
 まさか!?
 あの方が魔物の一味だとでも言うのですか?

ミトラ
 信じたくはないがな。……だが、妙だな。
 本来、呪術師の呪言は、
 術者の周囲でしか機能しないんだが……。

フィリス
 それだけ彼女の力が強いってことじゃないのか?

ミトラ
 それだけじゃ説明がつかないレベルさ。
 なにかほかにカラクリがあるはずだ。

アンナ
 王子、戦闘の準備を!
#endregion(3:開始時)
//==================
#region(3:終了時)
レヴィ
 ――ッく。つよい……。
 ……でも、だ、だいじょうぶ。
 あそこまで来てくれれば、わたしの勝ち……。

兵士
 敵が逃げていきます!

アンナ
 追いましょう、王子!
#endregion(3:終了時)
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#endregion(3:全体)
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#region(4:卑劣な罠)
//==================
#region(4:開始時)
アンナ
 ようやく追い詰めました。

ケイティ
 もう逃げられません!

レヴィ
 おいつめたのは、こっちだよ……みんな今だよ。

ゴブリン
 ギャギャッ……!
 ……イマダ! イマダ!

兵士
 弓兵を多数確認!

フィリス
 なっ……、待ち伏せか!

ゴブリンクイーン
 ……ウフフ。
 こんなにあっさりひっかかるなんてね。
 人間は相変わらず単純ねぇ。

ロイ
 あれは……まさかゴブリンクイーンか!?

ゴブリンクイーン
 あらご明察……さあレヴィ。
 ワタシの術でアナタを更に強くしてあげる。
 ママの眼を見なさい……。

レヴィ
 あ、ぅッ……! マ、マ……。
 うん。わたし、がんばるから……。
 もっと……がんばるからね!

フィリス
 ……! これまで以上にっ、
 力が抜けていく感覚が強まってる……!
 剣が、こんなに重いだなんて……。

ミトラ
 どうやらあのゴブリンクイーンってのが、
 レヴィを操っているようだ。
 これですべての謎が解けたな。

アンナ
 どういうことですか?

ミトラ
 ゴブリンクイーンの催眠術によって、
 レヴィは自身の限界以上の能力を、
 むりやり引き出されているのさ。

ケイティ
 そんな……。

ミトラ
 あれ程の呪言を酷使させられちゃ術者の身体は
 すぐに摩耗するぞ。『呪い』の能力ってのは
 使い方を誤れば自らの命を削る諸刃だ。

フィリス
 このままだとレヴィの命が危ないってこと?
 ……なんて惨い。
 必ず報いを受けさせてやる!

アンナ
 王子、急ぎ敵を倒しましょう!
#endregion(4:開始時)
//==================
#region(4:終了時)
レヴィ
 ……はぁ、はぁ……まだ……負けない。
 ママは……わたしが、守る……。

兵士
 敵陣、前線をさらに下げていきます!

アンナ
 罠の危険はありますが、レヴィさんが心配です。
 王子、追いかけましょう!
#endregion(4:終了時)
//==================
#endregion(4:全体)
//=========================
#region(5:ゴブリンクイーン)
//==================
#region(5:開始時)
兵士
 前方にゴブリンクイーンの姿を確認!

ゴブリンクイーン
 人間たちも結構やるようになったじゃない。
 おかげでゴブリン達も随分やられたわ。
 1、2、3……ああもう、面倒だわ。
 
 残ったゴブリン兵たち!
 ワタシの前に集合よ! ほら急ぐッ!

ゴブリン
 エイユウ! タオス! エイユウ! タオス!

ゴブリンクイーン
 残っているのは最弱の青だけ……ね。
 どうせここで終わるなら、
 アナタもここで終わらせちゃいましょう♪

レヴィ
 ……え? ママ?
 ――いや、イヤァ……ッ!

ゴブリンクイーン
 さぁ最後の大仕事よ?
 ワタシの眼を見なさい……いいから見るの!

レヴィ
 だめ……マ、マ……くるしい、よぉ……。
 いや、いやなの……いやなの……にぃッ……!

ゴブリンクイーン
 子が親に尽くすのは当然でしょう?
 心配しないで。死んだって代わりはいるもの。
 うずくまってないで、さっさと戦いに行きなさい。

レヴィ
 ……うん、ママ……わたしがんばるよ……、
 がんばるから……おいていかないで……。

フィリス
 く……くっそぉ……力がまったく……だめだ。
 剣を握るだけで、精一杯だなんて……。

ケイティ
 この状態では、
 雑兵のゴブリンでさえ、強敵ですわ。

ミトラ
 しっかりしな!
 あの娘を救うんだろう?
 ほら、いくよ!

アンナ
 王子!
 レヴィさんの為にも、ここで決着をつけましょう!
#endregion(5:開始時)
//==================
#region(5:終了時)
兵士
 敵、退却していきます!

ミトラ
 もう大丈夫だ……。ほら、しっかりしな。

レヴィ
 ……う、ん?
 ここ……は?

ケイティ
 よかった、なんとか無事だったようですわね。

ゴブリンクイーン
 あら……どうやら捕まってしまったようねぇ。
 最後まで使えない小娘だこと……。まあいいわ。
 搾りかすの呪術師に使い道はないもの。
 
 それに、地上界にもようやく馴染んできたし。
 じきにワタシの美貌も、力も完全に戻るわね。
 
フィリス
 おい、逃げるのかッ!
 待て! 卑怯者!
 クイーンを冠する者が、恥ずかしくないのか!

ゴブリンクイーン
 ウフフ……何とでも言うがいいわ。
 それに騎士道精神って暑苦しくてキライなの。
 そんなんじゃ王子に嫌われちゃうわよぉ?

フィリス
 ――ッな、何をばかなことをッ!??
 ど、ど、どうして、私が王子を……って、
 いや、その王子が嫌いってわけじゃ……ッ!?

アンナ
 ……フィリスさん?

ゴブリンクイーン
 あらあら、顔が赤ゴブみたいに真っ赤よぉ。
 ますます王子に嫌われちゃうわねぇ。

フィリス
 ――――ッッッ!!?? (ブチッ)
 ……ふっ。
 ……ふふ、ふははは……。

ユリアン
 ……おい。フィリス?
 おーい。
 ……だめだこれは聞こえてないな。

フィリス
 ……運命は決したな、ゴブリンクイーン。
 貴様の首級を挙げるのは私だ。
 次にまみえる時が、貴様の最後だと思え!

ユリアン
 フィリスまで催眠術に……。
 ゴブリンクイーン、恐ろしいやつだ……。

ゴブリンクイーン
 ウブねぇ。ま、それはいいとして。
 あまりワタシの催眠術を甘く見ないことね。
 その娘にかけた催眠は、かなり強力よぉ。

レヴィ
 ……あれ?
 ママ? ママはどこ?
 ――ッつぅ! 頭が、いた、い……。

ミトラ
 なるほどな。
 まだ完全に催眠はとけていないというわけか。

ゴブリンクイーン
 ワタシの催眠は直接、心の深淵に触れることで
 強固に暗示をかけているの。解除の困難さは、
 呪術師のあなたなら分かるでしょう?

ミトラ
 同時に、解く方法も想像はつくがな。
 鍵は王子、ということだろう?

ゴブリンクイーン
 お察しの通りよ。
 レヴィの心を完全に開かせる事が
 一番の近道じゃないかしら……ゥフフ。

ケイティ
 絶対に、私達が術を解いてみせますわ!

ゴブリンクイーン
 ウフフ……どうやらお節介がすぎたようね。
 それじゃあ、ワタシはお暇させていただくわ。
 今度会う時は、本当のワタシを見せてあげる。

レヴィ
 ……ママ!? 置いていかない……で……?
 ちがう……あれはゴブリン……魔物……なの。
 ママは、もう、いない……もう……。

アンナ
 王子、とりあえず城に戻りましょう。
 負傷した兵の為にも。レヴィさんの為にも。
#endregion(5:終了時)
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#endregion(5:全体)
//=========================
#region(6:暴走する力)
//==================
#region(6:開始時)
グレーターデーモン
 ……強さとは何なのだろうね。
 かつて強さを求めた同胞は、闇の聖霊から力を
 得てゴールデンデーモンへと変貌したけど……。
 
 最後は呆気ない幕切れだったと聞いているね。
 あの死は何を意味するのかな?
 
 まさか、強者の求道とは永久の螺旋――……。
 ……ん?

レヴィ
 ふんふんふ〜ん♪
 わったしは、レヴィ♪
 呪術師でぇ、ど〜んな敵でも弱体化ぁ〜♪

グレーターデーモン
 弱体化……?
 ――ッ!? なるほど。閃いたねぇ……。

レヴィ
 てや〜、とぉ〜、ふんふんふ〜ん♪
 ……はぁ。ママに会いたい……ううん。
 あれはゴブリン……ママじゃな――えッ!?

グレーターデーモン
 貴様こそ、ワシの強さへの答えだ!
 さあ、ワシと共にくるがよいッ!

レヴィ
 で、ででで、デーモン!?
 や、やだッ! 放してよぉッ!
 ちょっと――王子、助けてぇ!

フィリス
 おいレヴィ!
 ひとりで勝手に進んだら危ないよ!
 敵は近くに潜んでいるかも――って、ああッ!

グレーターデーモン
 いい所に来たね人間。さっそく試させてもらうよ?
 さあ小娘、君の力を貸してもらおうかな。
 やつらの力を奪うんだよ。

レヴィ
 ひぅッ――……やだ、力が、勝手に……
 いやぁぁああッ!

フィリス
 ――ぐッ……くっそぉ。
 ち、力が……はいら、ない……。

ミトラ
 簡単に操られよって、あの未熟者め……。
 まだ催眠術が解けきってない証拠だ。
 ああなってはどうしようもないぞ。

グレーターデーモン
 力の真理ここにあり。求める前にまず奪えばいい。
 悟ったんだよ。これでこそ最きょ、う……?
 ……ワシの力、が……抜けていく、だと?

レヴィ
 わ、わたしの力を好き勝手に使うなぁ……ッ!
 こーなったら呪いの力、ぜーんぶぶちまけ
 ちゃうんだからねー! 知らないんだからねー!!

ミトラ
 愚かな魔物め……。
 よりにもよって呪術師を暴走させるとは……。
 敵味方関係なく呪いを撒き散らしておるわ。

グレーターデーモン
 グッ……。ワシの圧倒的な力が……。
 こうなれば、我が一族を呼び出すしか
 ないようだね……!
 
 ……そう……、力とは数なのだ……!
 さぁ、デーモンたちよ!
 愚かな人間を葬り去るのだ……!!

フィリス
 なんでデーモンがここに!?
 こんな状況で戦うなんて……。

アンナ
 皆さん、相手も力が削がれているので
 状況は同じのはずです!
#endregion(6:開始時)
//==================
#region(6:終了時)
グレーターデーモン
 力とは……一体……。
 強さでも数でもないとはね……。
 
 ど、どうやら強者の真理の追求は、
 同胞に任せるしかない……ようだ……ね……。

フィリス
 死んだ、のか……?
 最後まで戯言の絶えないやつだな。

レヴィ
 もーなんなのッ!? 放してってば!
 操られる前に、みんな呪うんだからーッ!
 もうッ、触らないでよ、メガネ女!

ケイティ
 め、メガネ女!?
 ああもうッ、こらッ!
 暴れないで下さい!

ミトラ
 グレーターデーモンは死んだ。
 じきにレヴィも落ち着くはず、だが……。

レヴィ
 放してオバさ――んにゃ? あれ?
 わたしはいったい? そ、そうだ! 魔物!
 みんな気をつけて――って、あれ……?

フィリス
 ……こいつ、一回殴った方がいいのか?

ユリアン
 意外とそれで操られ癖が治るかもしれないぞ。

ケイティ
 今回ばかりは私も止めません。

レヴィ
 ど、どうしたの?
 みんな揃って、そんなに怖い顔して?
 え、やだ、ちょ、いやーッ!?

フィリス
 逃げるなコラー!
 腹の虫がおさまらん!

レヴィ
 わたしは悪くないのにー!
 もぉ……魔物めぇ……。
 絶対に許さないんだからーッ!
#endregion(6:終了時)
//==================
#endregion(6:全体)
//=========================
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#endregion(ネタバレ注意)
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