千年戦争アイギス Wiki

アンナ

山賊が暴れているという報告が
あったのはここです。

ハリッサ

まったく、こんな時に……。
私がしめてやらないといけない様ですね。

アンナ

ありがとうございます。ハリッサさん。
今は、生き残った人々で
助け合っていかなければならないのに……。

ハリッサ

モーティマはなにやってるんだか……。
この辺りの山賊は全部俺の手下だ、
なんて豪語しておいて……全然ダメじゃない。

モーティマ

――ゲヘヘヘッ！！　オラァオラァッ！！
どいつもこいつもぶっ飛ばしてやる！
俺は山賊頭モーティマ様だぜぇ！！

ハリッサ

――ッ！？
うそ……暴れている山賊って、
モーティマだったの！？

モーティマ

うほおぉッ！？　王子じゃねぇか！
よく見たら、お前すげえ良い身体してるな……。
ふん縛ってとっ捕まえてやるぜッ！！

アンナ

そんな……モーティマさんが
王子を狙って襲いかかってくるなんて……。
皆さん王子をお守りしてください！

モーティマ

ぐ……せっかくイイ男が見つかったと
思ったのに……！
くそ、覚えてやがれッ！！

ハリッサ

イイ男って！？
あ、こら待てモーティマ！
どういうことか説明しろ！

アンナ

行ってしまいましたね……。
いったい、どうしたのでしょうか……。

？？？

あいつ、あんたらの仲間か？

アンナ

――あ、あなたは？

ジェイク

俺の名前はジェイク。冒険者だ。
さっきの山賊には俺も襲われてな……。

ハリッサ

あいつ……！
また人さまに迷惑かける様な事をして……！

ジェイク

あぁ、それは気にしないでくれ。
それよりも、あいつの仲間って事なら言っておくが、
あいつ、『普通』じゃないぜ。

アンナ

え、ええ……残念ながら。
以前から王子を狙っていたのかもしれません。

ジェイク

いや、そういう意味じゃない。
あいつも魔界アリに操られてしまっているって
ことなのさ。

ジェイク

改めて名乗らせてもらおう。
俺はジェイク。
冒険者として各地を旅している者だ。

あんたらの仲間の
山賊の異変に関してだが、
あれは、魔界アリが関係しているんだ。

魔界アリは、元々魔界にいた魔物の一種で、
千年戦争の頃に封印されていたんだが、
その封印が解け復活を果たしたのは知っての事だろう。

その魔界アリに女王が誕生しているんだ。
詳しいことは分からないが、女王蟻は生物の雄を操る
特殊なフェロモンを持っているみたいなんだ。

俺は、相棒のオスカーってやつと冒険中に、
偶然魔界アリの巣に迷い込んじまって、
その時に女王蟻と出くわしたんだ。

女王蟻は沢山の人間の男達を従えて、
兵隊として操っていてな……、
さっきの山賊の男もその中にいたんだよ。

俺達は慌てて巣から出ようとしたんだが、
見つかっちまってな。

俺が男達と戦ってる間に、
オスカーは女王のフェロモンによって
心身を支配されちまったんだ……。

恐らくさっきの山賊は、
男達を集めてくるように
女王蟻に命令されているんだろう。

王子、あんたは腕が立つみたいだ。
一緒に相棒を助けてくれないか？

それに、うまくいけば山賊の男も
助けられるかもしれない。
協力してお互いの仲間を助けようぜ。

ジェイク

協力してくれてありがとな。
この辺りはもう魔界アリの生息地だから、
気を付けておいてくれ。

アンナ

分かりました、ジェイクさん。
案内をお願いいたします。

兵士

伝令！
斥候部隊が前方に敵影を確認！

バラッド

ふふ……王子、ようやく来たか。
その身体……必ず奪ってみせるぞ！
覚悟しろ！

ハリッサ

えっ！？
まさか、バラッドまで……。

ジェイク

……間違いないな、
あいつも女王蟻に操られている。
王子、戦うしかないぞ。

バラッド

ジェイク、今だ！
王子を攻撃しろ！
あの極上の身体を捕縛するんだ！

ジェイク

了解だ、バラッド！
おらぁ、いっくぜぇッ王子ッ！

アンナ

え……！？　ジェ、ジェイクさん！？
なぜ私達を攻撃するんですか？

ジェイク

っぐ……王子がこれほどまでに強いとはな……。

バラッド

くそ、あと少しで王子を……上質の男を
手に入れられたというのに……。
これでは女王様に何と報告すれば……。

ジェイク

もうここは俺達の縄張りだ。
ここまで王子を連れてこられただけで充分だ。
一旦退くぞ、バラッド。

ケイティ

行ってしまいました……。
まさか、ジェイクさんも操られていたなんて……。

アンナ

女王蟻が人を支配する力は
それほどまでに強力ということですね。
どうしたら女王蟻の支配はとけるのでしょうか……。

ハリッサ

とにかく、彼らを追ってみよう。
モーティマもきっといるはずだし、なんにせよ、
先に進まない事には何も分からないよ。

ジェイク

いいか？
もうすぐここに王子が来る。
女王様の為にも何としてでも生け捕りにしろ！

冒険者

任せてくれ。
この女王様のフェロモンを、
王子に嗅がせればイチコロだ。

ジェイク

頼むぞ。女王様は産卵期の大事な時期。
餌となる男は上質なほど良い……、
伝説の英雄の末裔を献上するのだ。

くれぐれも失敗はするなよ？
それを一度嗅がせるだけで、
女王様の支配は永遠のものになるのだからな。

冒険者

へっ。心配性だぜ全く。
オレ達がいれば王子なんて
簡単に生け捕りにできるだろうよ。

ジェイク

それじゃあ俺は女王様へ報告しに戻る。
後のことは、頼んだぞ。

冒険者

王子、来たようだな！
行くぞ！

アンナ

王子、前方に敵が展開しています！
女王蟻の兵隊かと思われます。
戦闘のご準備を！

冒険者

うぐぐっ……くそっ。
作戦失敗だ……後退するぞ！

ミゲル

ふざけんな、あの王子とかいう
とんでもなく上質な男を
みすみす逃してたまっかよ！

オレだけでもまだやれるぜ、
オッサンは勝手に逃げてろ！

冒険者

これだから若造は……いいから来るんだ。
女王様に傷を癒やしてもらいにいくぞ！

ミゲル

ちょ、こらぁっ、離しやがれっ！
くっそー、覚えてやがれ、王子ぃー！！

アンナ

あのような方々まで、
女王蟻の支配下にあるなんて……。

ケイティ

いったいどれだけの男を
支配してるっていうのかしら？
とんでもない魔物ね……。

アンナ

王子、一刻も早く彼らの後を追いましょう。
さあ、進軍を再開です！

アンナ

ここが……魔界アリの巣……？
不気味ですね……。

女王蟻

……ようやく妾のもとに来たか……。

アンナ

じょ、女王蟻ッ！？

女王蟻

さあ、妾のかわいい子らよ、
王子を生け捕りにするのだ……。

ジェイク

女王様が今、俺を見てくれた……。
なんて幸せなんだ……この命に代えても、
貴方様の期待に応えてみせます！

オスカー

ああ……女王様、なんて美しいのでしょう……。
あなたのその美しさの一部となる為、
僕も精一杯尽くさせていただきますよ！

アンナ

これほどまでに強い力だなんて……。
すぐに彼らへの催眠を解かなければ……！

女王蟻

催眠……？　解く……？
くふふ……片腹いたいのぅ。妾のフェロモンに
よる支配はそんな陳腐なものではないわ！

妾が存在する限り、
フェロモンに支配された人間達は
一生元には戻らぬ……くふふふ……。

見よ、貴様らの統率者である王子も、
いつまで意識を保っていられるかな……？

王子

――！？

ケイティ

王子、手筈通り部隊の男たちと共に
後方にさがってください。
ここからは私たち女だけで戦います。

ソーマ

心配しないでください、王子！
きっと、王子の期待に応えて見せます！

ジェイク

――ぐぁッ！！　そ、そんな……。
女……ごときに、やられる……だと……？

オスカー

これ以上の無茶はよせ、ジェイク！
さあ、僕と一緒に女王様のもとへ
撤退するんだ！

ジェイク

すまねえ、オスカー。
次こそは……負けないから……。

レアン

敵の撤退を確認。
このまま追撃するぞ！

アンナ

はい！
女王蟻を倒し、
囚われた男性達を助けましょう！

アンナ

女王蟻！
もう追い詰めましたよ、覚悟しなさい！

女王蟻

追い詰めた……だと……？
……頼りにならぬ男共が……。
こうなれば、妾が自ら手を下すまでだ！

貴様ら雌どもを皆殺しにした後、
外にいる王子を
たっぷりと味わってやるわ……くふふ。

ソーマ

あんな魔物に
王子を食べさせたりなんて絶対にさせません！
私達が、絶対に守り抜いて見せます！

女王蟻

妾以外の雌などこの世に必要ないわ！
……すべての雄は妾のものよ……。
さあ……ここで朽ち果てるがいい！

アンナ

女王蟻の犠牲者を
これ以上だしてはなりません！
ここで、決着をつけます！

女王蟻

――ギャャァアッ！？
……そ、そんな、ありえぬ……。
人間の雌どもに……妾が負けるなど……。

レアン

そのおごりが敗因だということを
気づけないような相手に、
私達が負けるわけがない。

女王蟻

覚えていろ……これで終わりになどしない……。
……必ず……必ず復讐してやる……。

ソーマ

どうやら、逃げられてしまったようですね……。
ですがあれほどの痛手を負っては、
これ以上、何かができるとは思えませんね……。

オスカー

……じょ、女王蟻を、倒したのですね……？
助かりました……意識はあったのに……、
女王蟻への忠義の念に抗えませんでした……。

ジェイク

俺も同じだオスカー……くそっ。
冒険者だなんて名乗りを上げてるくせに、
みっともなく他人に助けられちまうとはな……。

アンナ

見て下さい！　女王蟻の力が弱まった
おかげで、囚われていた男性達が
正気に戻ってくれたようです！

レアン

ジェイクもオスカーも
あまり自分を責めるな。
今回ばかりは、克服のしようのないことだ。

ジェイク

ったく、とんだお人好しだぜ、あんたらはよ。
……なあ、オスカー、こいつらの仲間になろうぜ？
仲間は多い方がいいしな。

オスカー

僕もちょうど同じ事を言おうと思っていたところさ。
もちろん、彼女達の許しを得られるのなら、
という話だがね。

アンナ

断るわけがありません。
とても心強い申し出です。
是非とも、よろしくお願いします！

ソーマ

アンナさーんッ！
早く王子の所に行きましょー！
私達が無事であることを早く報せたいです！

アンナ

そうですね！
捕らえられた人たちの解放もありますし、
急ぎ、王子と合流しましょう！

兵士

さて、今日も特訓をお願いします！
男性のみでの修行です。遠慮は不要であります！

女王蟻

ここが……男だけが集まる島……。
……フェロモンを放つに……最適の場所よのぅ。
ほれ……皆の者、妾の子になるがよい……。

ニコラウス

――ッ！？
女王様！　ワシはここですぞー！
ワシの筋肉を是非活用してくだされー！

サイラス

そのような筋肉だけの老戦士よりも、
私の魔法の方が女王様に貢献できます。
ぜひ私めをお使い下さい。

バルバストラフ

サイラスめ、抜け駆けとは卑怯な……。
老い故の渋みなら比肩する者はおりませんぞ。
さあ女王様、わしをお使いなされー！

コンラッド

バカヤローが！
俺が先に女王様のお力になるんだ！
ジジイどもはどけっつってんだろーがッ！！

サノスケ

女王様ぁー！
拙者の身体を是非ともご賞味あれ！
サムライの身体はひと味もふた味も違いますぞ。

ジョバンニ

女王蟻さまーーッ！
頼む、俺を使ってくれぇ！
もう俺には女王様しかいねえんだよぉーー！

女王蟻

ふふ……みな良き子よな……。
さあ行くがよい……妾の子らよ……。
今こそ、憎き王子軍の輩を皆殺しにするのだ！

女王蟻

――ギァァアアアッッッッ！！
そ、そんな……妾が……滅びる……だと？

種の最上にして、最強の妾が……
人間などに……滅せられるとは……。
ありえぬ……あり、え……ぬ……。

アンナ

女王蟻を完全に倒しましたね。
これでもう二度と、フェロモンによって
操られる方々もいなくなるでしょう。

ハリッサ

モーティマもしっかり元に戻ったし、
一件落着ですね。

レアン

生物としての雄を掌握する力、か……。
改めて考えると、
魔物の力とは恐ろしいものだな。

ソーマ

はい……。
王子が操られなかったことが、
不幸中の幸いでしたね。

アンナ

いずれにせよ、
女王蟻の脅威はこれで無くなりました。
さあ、これにて討伐完了です。帰還しましょう。

サイラス

（脅威はこれで無くなった……か。
だが、あの女王蟻は若い個体だった。
本当の脅威はこれからかもしれんな。）

バルバストラフ

言いたいことはわかるが、
勝利の喜びに水を差すことはあるまい。
備えはわしら老人が骨を折ろうではないか。

サイラス

「わしら老人」だと！　貴様と一緒にするな。
私はお前よりはずっと若い！

バルバストラフ

ふぉっふぉっふぉ。
それでは若いサイラス君、魔界アリの
フェロモンの分析を手伝ってくれたまえ。