千年戦争アイギス Wiki

会話

魔界武術大会/会話

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ネタバレ注意

▼   1：魔界からの招待状 ▼   1：開始時 兵士 ――周囲の状況を確認！ 魔物の姿は見当たりません！ アンナ 王子、報告にあったような凶悪な魔物は どうやらこの場所にはいなかったようですね。 ケイティ それでは、 調査を終了して帰還の準備を始めましょうか。 セシリー ――いや待て。そこにいる奴、 隠れてないで姿を見せろ。 ？？？ へぇ……気配を殺していたつもりだったが、 まさか気づかれてしまうとはね。 さすがは噂の王子とその仲間と言ったところかな。 わざわざ出向いた甲斐があったというものだ。 アンナ あれは、オーク……！？ なぜ、ここに……？ ？？？ 言葉は不要だ……。 今は只、その武を以て己を語れッ！！ さあ剣を取るんだ、王子！　オレと勝負をしろ！ アンナ 王子、すぐに戦いの準備をお願いします！ ▼   1：終了時 ？？？ ふふっ、やるじゃないか、王子。 60％の力のオレとでさえ、まともに戦える奴は、 そうそういないぞ。 ケイティ 60％！？ まさか、さっきのは手を抜いてたとでも言うのですか！？ ？？？ ああ、その通りさ……。 もしオレが本気を出して王子を殺しでもしたら、 魔界武術大会の御偉方から大目玉を食らうんでね。 アンナ ――魔界武術大会ッ！？ 何ですか、それは！ ？？？ そう息巻くな、人間の雌よ。 順を追って説明してやる。とりあえず場所を移そう。 ケイティ ……どうやら今は敵意はないようです。 王子、とりあえず話だけでも聞いてみましょう。 ▼   1：終了後 (ホーム画面にて) ドゥーラ オレの名はドゥーラ。オーク族の剣闘士だ。 こうして王子に会いに来たのは、他でもない。 アンタが魔界武術大会にエントリーされたんで、 その招待状を持ってきたんだ。 魔界武術大会というのは、 この世で一番強いヤツを決める大会のことさ。 その参加者は魔界、地上界を問わない。 強ければ誰でも参加する権利がある。 ただ、自由参加だと本当に強い奴が集まるとは 限らない。そこで、主だった種族の中でも一番強い奴を、 その種族の代表として、特別に招待している。 人間の中では王子って訳だ。 名誉な事だぞ―― ――ってなんだと？　参加を辞退する……？ ……それだけは止めておいた方が良い。 なぜなら、人間代表として選ばれた王子が 不参加となれば、魔界にいる人間の捕虜、 全員が殺されることになるからな。 おいおい、そんな目で睨まないでくれ。 これは今大会の主催者が決めたことなんだ。 ……オレだってこんな卑怯な真似はしたくないさ。 だが逆に考えてみろ。これはある意味でチャンスだ。 そう、魔界に囚われた人間たちを解放する為のな。 オレもアンタみたいな強者とは、何のしがらみもなく 闘いたい。出来る限りの事であれば 協力するつもりだが……どうする？ ……ああ、それでいい。 それじゃあ、正式な参加表明として 今の言葉を受け取っておくぞ、王子。 ――と、伝え忘れるところだった。 魔界に満ちる瘴気に関してだが、あれは地上界に 棲む者にとって害でしかないことはこちらも理解してる。 だから大会会場では公平性を期すため、 瘴気はきっちりと遮断される。 アンタ達も万全の状態で戦えるだろうさ。 これで話は終わりだ。 さあ、とっとと出発の準備をしろ、王子。 大会は明日開催だ。すぐに魔界に向かうぞ。 ▼   2：第一回戦 ▼   2：開始時 モーティマ ここが、魔界武術大会の会場か。 すげぇ熱気だな……！ ドゥーラ ちょうど予選が終わった所みたいだな。 招待枠である王子たちは本戦からのスタート、 出番はもうすぐだ。気を引き締めろよ。 ――と、そろそろ主催者からのルール説明がある。 しっかり聞いておくんだぞ、王子。 グレーターデーモン ふむ……あぁ、毎度説明してるとは思うが、 本大会の試合中、同時に戦闘に参加できるのは 5人まで……これについては、いいね？ あと、種族間での不利を無くす為に、 瘴気は会場に入らない様にしている……すごいね。 ふむ……まぁ、そんなところかな。 後はぁ……そうだな。とにかく勝てばいい。 ここでは強さ以外は意味をもたないしね、以上だ。 モーティマ 人数制限以外ルール無しって事は、 なんでもありって訳か！？　魔界のゴロツキ共の事だ、 何されるか分かったもんじゃねぇな。 グレーターデーモン ……それじゃ早速始めようかね。 第一回戦は人間代表、王子チームvs竜人代表、 ゴライアチームだよ。 ゴライア ――チッ。初戦の相手が人間とはナ。 強いヤツと戦う為ニ来たってのに、拍子抜けだゼ。 ドゥーラ ……いきなり竜人種が相手か。 ヤツらは単独でも強いが、いつも試合中に 守り神の竜が乱入してくるんだよな。気を付けろよ。 ▼   2：終了時 グレーターデーモン 人間代表、王子チームの勝利！ お約束の守り神の乱入も乗り切るなんて、 うぅ〜ん……なかなかやるねぇ！ アンナ 王子、すごいです！ 難なく一回戦を突破できましたね！ ドゥーラ この程度ではしゃぐな、みっともない。 まだ大会は始まったばかりなんだぞ？ アンナ あ……す、すみません。 嬉しくて、つい……。 ドゥーラ この調子で二回戦目も勝ってくれよ、王子。 そうすれば、いずれオレのチームとも戦えるはずだ。 その時こそ、100％の力でお前たちと戦える。 アンナ 何はともあれ一回戦突破できて良かったです。 王子、なんだか私も燃えてきました！ 次も勝ち進みましょう！ ▼   3：第二回戦 ▼   3：開始時 ユリアン よっしゃ、二回戦目も気合い入れていくぞ、王子。 この調子で優勝まで一気に勝ち進もうぜ！ アンナ あちらをご覧下さい、王子！ どうやら、次の対戦相手が出てきたようですよ。 ？？？ あれぇ？　もしかして次の相手って人間？ ふふっ、私ってついてるかも。 これなら楽勝かな。 ケイティ ……どういうことでしょうか？ 彼女は仲間の姿が見えませんが。 まさか、一人で戦うとでもいうのでしょうか？ ユリアン へっ、ナメられたもんだぜ。 どれだけ強いか知らねぇが、 五対一で勝てると思ってんのかよ？ ドゥーラ 普通に考えれば王子たちが圧倒的に有利だが…… あの女、自由参加枠で予選からずっと一人で、 勝ち上がってきた奴らしい、油断するなよ？ グレーターデーモン あぁ……両者、準備はいいかね？ それでは魔界武術大会二回戦、人間代表 王子チームvs孤高の魔物使い。開始！ ▼   3：戦闘中 孤高の魔物使い アナタ達、戦闘準備よ。 魔獣オルトロス、配置につきなさい！ 魔獣オルトロス グルルルルッ！ ドゥーラ ――なにッ！？　魔獣オルトロスだと！ なるほど、次から次に魔獣を呼び出す気か！ アンナ 主催者に対し、異議を申し立てます！ これでは大会ルールに違反するのではないでしょうか？ グレーターデーモン ふむ……まぁ、今回魔物使いさんは一人だしね。 特例って事で……いいんじゃないかな。 アンナ そ、そんな……！ ケイティ 主催者に都合の良いルール……。 王子、こうなったら覚悟を決めてください！ とにかく今は、力でねじ伏せるしかありません！ ▼   3：終了時 グレーターデーモン またまた人間たちの勝利か……うぅむ、つまらないねぇ。 人間たちがボロボロになる姿が見たいのだが。 ……まあ、次に期待だね。 孤高の魔物使い そ、そんな……あたしの魔獣たちが みんなやられちゃうなんて……くぅ〜っ！ お、覚えてなさいよ〜〜〜っ！！ ドゥーラ まさか、あのような不利な状況でも 勝利を収めるとは……やるじゃないか、王子！ アンナ ですが今回の戦いで、大会のルールが こちらにとって不利なものとなる可能性が あることを実感しました……先行きが不安です。 ケイティ 本来であれば、ここで棄権すべきなのでしょうが、 魔界にいる捕虜の人間たちを助けるまでは、 奴等のルールに従って戦うしかないですね……。 フィリス ふん、ハンデみたいなものだ。 剣の鍛錬にはこれ位でちょうどいい。 ドゥーラ 覇気は未だ衰えず、か。 うちのチームも負けてられないな。 アンナ ドゥーラさんも、次の試合がんばってくださいね。 ドゥーラ ふっ、言われなくとも勝つさ。 それじゃあな。三回戦の会場で会おう。 ▼   4：第三回戦 ▼   4：開始時 グレーターデーモン 次は王子チームとー……おぉ、これはこれは デシウス君、久しぶりだね。元気にしていたかい？ デシウス ――黙れ、グレーターデーモン！ もう吾輩は貴様の部下でもなんでもない！ グレーターデーモン ほう……随分と調子にのってるね、デシウス君。 君の力で王子を倒せると本気で思ってるの？ 有利なルールで戦わせてやっても良いよ？ デシウス ゆ、有利なルール！？ それは魅力的な……いやいやいや！ 我輩は自らの力で王子に勝つのだ。 グレーターデーモン でも、王子とデシウス君じゃ勝敗が見えてて つまらないしねぇ……そうだ、観客を盛り上げる為に 次は毒でも撒いておく事にしよう。 デシウス ひ、卑怯な……！ これでは王子軍が―― グレーターデーモン うるさいな、デシウス君は。 君が少しでも戦いやすくなる様にしてあげてるんだから、 むしろ感謝してほしいよね。 では……両者、準備はいいかね？ それでは、魔界武術大会三回戦、 王子チームvs暗黒騎士デシウスチーム。開始！ ケイティ これは……王子、試合場には微量ですが 毒が撒いてあるようです。ご注意ください。 ▼   4：戦闘中 アンナ な、デシウスが5人！？ ケイティ 恐らくドッペルゲンガーかと。 どれが本物か判りません、 王子、冷静な判断をお願いします。 ▼   4：終了時 デシウス ――グッ、ふぅ……あと、もう少しだったというのに。 グレーターデーモン ……ふん、デシウスめ、案の定負けたか。 ほんのちょっとでも期待したワシが バカだったねぇ……。 ドゥーラ 暗黒騎士デシウス、か。 なかなかに見所のあるヤツじゃないか。 きっとアイツはまだまだ強くなるぞ。 だが、それ以上に王子。 アンタたちの強さは本物だな。 次はもう準決勝だ。 アンナ ドゥーラさんのチームも順調に勝ち進んでいますから、 このままいけば、決勝戦で 王子と戦うことになるかもしれませんね！ ドゥーラ ああ、その時が楽しみだよ。 必ず決勝まで勝ち進んでこい。 最高の舞台で、アンタと試合をしたいからな。 グレーターデーモン ――あ〜、大会参加者諸君。 本日の試合はこれにて全て終了した。 今宵は我々が用意した最高級の 宿泊施設で身体を休めてくれたまえ。 それではまた明日。 ケイティ 魔界の宿泊施設……ですか。 何だか少し怖いですね。 アンナ とはいえ、十分な休息をとらなくては力は発揮できません。 王子、案内係に従って宿泊施設へと向かいましょう！ ▼   5：グレーターデーモンの罠 ▼   5：開始時 アンナ まさか魔界の宿泊施設を利用するとは 夢にも思いませんでしたね。 ソーマ 瘴気のせいで居心地がいいとは言えませんが…… 雨風が凌げるだけ、良しと思うべきなのでしょうね。 ケイティ そうですね。 では、明日の試合に備えて休むとしましょうか。 グレーターデーモン ――その必要はないよ、人間たち。 何故なら、君たちは此処で永遠の眠りにつくのだからね。 アンナ 貴方は……グレーターデーモン！？ それに他にも多くのデーモンたちが……！ そ、そんな……これはいったいどういうことですか！ ゴールデンデーモン まだ分からぬか？　ワシらはね、 この大会に王子を呼び出して殺すのが目的だったのだよ。 ケイティ あれはグレーターデーモンを超える究極の存在、 ゴールデンデーモン……？！ ……流石に瘴気だらけのこの状況では……っ！ デシウス ――馬鹿者ォ！　この程度で諦めてどうするッ！？ まぐれとはいえ、 我輩に勝った者達の態度とは思えぬな！ グレーターデーモン ん？　おかしいね……なぜここにデシウス君がいるのだ？ 君の部屋は用意してなかったはずだが……。 さっさとそこをどきたまえよ。邪魔なんだってば。 デシウス 生憎だが、王子たちを殺させるわけにはいかない！ 我輩に勝った者が準決勝を不戦敗となっては 吾輩の威信に関わるではないか！ アンナ 魔界の瘴気の影響を受けないデシウスが 加勢してくれるなら、活路が開けるかもしれません！ 王子、戦いの準備をお願い致します！ グレーターデーモン デシウス……度し難い愚か者だね、君は。 いいだろう。王子もろとも皆殺しにしてやるとするかね。 デーモンの恐ろしさ、身を以て味わうがいい。 ▼   5：終了時 グレーターデーモン うぅむ……これは計算外だねぇ。 だが、まだ他にもやりようはあるか……。 明日の大会中に、地獄を見せてやるとしよう、ウン……。 デシウス はぁ……はぁ…… な、なんとか……追い払えたようだな。 それにしても、さすがにあれだけの デーモンを相手にするのは一苦労だった……。 正直、試合よりも疲れたぞ。 ケイティ 今回は素直に感謝せねばなりませんね。 危ないところを、ありがとうございました。 デシウス か、勘違いをするな！ 別に貴様らの為に戦ったわけではない。 これは、我輩の面子の為にとった行動だ！！ アンナ それでも、助けてくれたことには変わりありません。 王子を救ってくれて、ありがとうございます。 デシウス フン……少しでも有り難く思っているのならば、 明日の試合に全て勝ち、大会に優勝するのだな。 ソーマ …………デシウスさん、行ってしまいましたね。 何を考えているのか分からない所もありますけど、 根っからの悪人ではないのかもしれないですね……。 ケイティ 王子、先ほどのデーモンの口振りから察するに、 まだまだ大会には何か罠が潜んでるかもしれませんね……。 アンナ ですが、捕虜の皆さんを解放する為にも負けられません。 王子、明日の為にも 今はしっかりと休息をとってくださいね。 ▼   6：ドゥーラの鍛錬 ▼   6：開始時 ドゥーラ ――ここが前回のチャンピオンが作らせた、 ジャングルを模した訓練設備だ。 ソーマ ……すごい。 まるで地上のジャングルのようですね。 ドゥーラ 古くから続く伝統ある大会……。 それも、魔界じゃ数少ない大きな行事のひとつだ。 優勝すればこれくらいの無茶も許されるってわけさ。 それに、優勝者の言葉を無下にしようものなら 大会に泥を塗る事になるからな。アンタらが 優勝すれば捕虜の解放だって造作無しだろうよ。 ケイティ グレーターデーモンが捕虜を解放するのか 不安でしたが、そういう事でしたら安心ですね。 ドゥーラ まぁ、あくまでも優勝できたらの話だがな。 アンナ 大丈夫です！　今のところ王子は絶好調ですから。 このままいけば、絶対に優勝できるはずです！ ドゥーラ ……おいおい。もしかしてオレの力を甘く見てないか？ 前回は60％程度しか出していなかったんだが……。 いいだろう、なら今ここで80％の力を見せてやるよ！ アンナ ――えッ！？ な、なんでそうなるのですか！？ ドゥーラ つべこべ言わずに戦いの準備をしろ！ なぁに、前哨戦みたいなもんさ……行くぞ！ ▼   6：終了時 ドゥーラ ふーっ、いい汗かいたぜ！ やっぱり強いな、王子は。 ソーマ はうぅ……オーク族の方は、 やはり闘いになると 人が変わってしまうようですね……。 アイーダ ――……探したぞ、ドゥーラ。 そろそろ私達の試合が始まるぞ。 ドゥーラ ……あっ！　すまねぇっ！ つい、昂っちまってよ。 ……すぐ行くから待っててくれ！ というわけだ王子、次やるときは決勝だな。 その時はオレの本気を見せてやるよ！ それじゃあな……。 ソーマ …………行ってしまわれました。 見たところ、ドゥーラさんのチームには、 弓の使い手の方もいらっしゃるようですね。 アンナ 王子、どうやらこのままいくと決勝では、 本気のドゥーラさんと戦う事になりそうですね。 （あれ？　でも待って下さい。さっきので80％ という事は、ほぼ全力というわけですから……） 王子、これなら勝ち目はありそうですね！ 絶対にこの大会、優勝しましょう！！ ▼   7：準決勝 ▼   7：開始時 グレーターデーモン ……あーっ、参加者諸君。おはよう。 昨夜は魔界最高級の宿泊施設を たっぷりと堪能していただけたかな？ モーティマ けっ、グレーターデーモンの野郎ぬけぬけと。 どうせまた何か企んでやがんだろうな。 グレーターデーモン えーっ……それじゃ早速今日の試合を始めようかね。 魔界武術大会、準決勝のカードは…… 王子チームvsゴブリン博士チーム！ ゴブリン博士 ふム。準備は万全、行くがよイ！ 我がゴブリンの騎獣戦車ヨ！ モーティマ ……ん？　ゴブリンが4匹に、戦車が1匹。 あと戦車の上にゴブリンが3……おい！ ゴブリンの奴ら人数制限無視してねーか？！ グレーターデーモン なんのことかな？　戦闘に参加するのは ゴブリン戦車1とゴブリン4、 つまり足して「5」だね。何も違反はしていないよ。 アンナ ……そんな。 やはりこちらの申し立てを聞く気はないようですね……。 王子、何が起きるか判りません。 くれぐれも気をつけて下さい！ ▼   7：戦闘中 ゴブリンプリンセス長女 ……ふあぁ……つまらない試合ねぇ。 あくびが出てしまうわ。 ゴブリンプリンセス次女 全くですわ、お姉さま。見ているだけなんて 退屈ですことよ。……三女！ 何か面白い事でもやりなさいな！ ゴブリンプリンセス三女 面白い事ですか？　そうですねぇ…… ……そうだ！　人間が近づいて来た時に 魔法で攻撃しちゃうとかどうです？ ゴブリンプリンセス長女 あーら、面白そうじゃない。 どうせ何やったっていいって話よ、 人間どもをいたぶっちゃいましょう。 ゴブリンプリンセス次女 さすがお姉さま、ステキですわ！ ……三女！　アンタが言い出したんだから ちゃんと気合いれて攻撃するのよ！ ゴブリンプリンセス三女 はい、任せてくださいお姉さま！ 人間たちをびっくりさせてやります！ ▼   7：終了時 グレーターデーモン 準決勝。勝者、王子チーム！ 試合中のヤジにも負けずよく頑張ったねぇ……。 まぁ、こんな事もあるさと割り切ってくれたまえ。 モーティマ 判っちゃいたけどよ。いい加減 腹が立ってきたぜ。もうちゃっちゃと アイツをぶっ倒しちまえばいいんじゃねーか。 アンナ お気持ちはわかりますが、捕虜がいる以上 軽はずみな行動は出来ません。 抑えてください……。 グレーターデーモン んーっ……次は決勝戦。まさか 人間がここまで勝ち進むとはねぇ。 次こそ惨めに負けてくれることを期待しているよ。 ゴブリン博士 おのレ……ニンゲンめ、次こそハ……。 ――って、オヤ？ ……あれはまさか！　ぷ、プリンセス様ッ！？ ゴブリンプリンセス長女 人間をボロボロにすると聞いてたのに…… とんだ期待はずれねぇ。 使えない子は処分しちゃおうかしら。 ゴブリンプリンセス次女 まったくですわ、お姉さま。騎獣の餌にした方が よっぽど有意義かもしれませんわ。 ゴブリン博士 ――ヒィッ！ ゴブリンプリンセス三女 お姉さま。餌にしてしまうなんてもったいないです。 お仕置きでしたら殺さず生かさず、 くらいのほうが楽しめるんじゃないでしょうか。 ゴブリンプリンセス長女 そうねぇ……可愛い三女の頼みだもの、 餌はまた今度にしようかしら。それじゃあ お仕置きは帰ってからのお楽しみね。 ゴブリン博士 は、はヒッ！ アンナ ……ゴブリンにも色々とあるようですね。 王子、準決勝お疲れ様でした。次はいよいよ 決勝です。優勝目指して頑張りましょうね！ ▼   8：決勝戦 ▼   8：開始時 グレーターデーモン さぁ、いよいよ魔界武術大会も大詰め。 両チーム、入場してくれたまえ。 ケイティ 決勝はやはりドゥーラさんのようですね。 彼女であれば卑怯な行い等はないかと思います。 正々堂々、正面から戦いましょう。 ドゥーラ ようやくこの時が来たな。王子、見せてやるよ。 オレの100％中の100％…… ……いや、120％の力をっ！！ アンナ ――ひゃ、120％！？ モーティマ おい、あんなのアリかよ！？ 前に戦ったときとは比べものにならない威圧感だぞ！ オーク うおおおおおおおおぉぉっっ！！ ドゥーラッ！　ドゥーラッ！！ ケイティ ……あの旗はオークの士気を高める軍旗のようですね。 私達で言う王子……みたいなものでしょうか。 アンナ あの旗が振られている限り、オークの方々は 士気が高く、普段以上の力を発揮していると 思った方がよさそうですね。王子、ご注意を！ ▼   8：終了時 ドゥーラ グッ……オレの負けだ。完敗だよ、王子。 アンナ やった！　勝ちました！ 優勝ですよ、王子っ！！ グレーターデーモン ……優勝は王子チーム。 まったくもってつまらない結果だねぇ……それじゃ。 ケイティ 待ちなさい！　グレーターデーモン、 捕虜の人達を解放しなさい！ グレーターデーモン ……断っても面倒そうだねぇ。 ――……ほら、甚だ不本意ではあるが 捕虜の人間は解放しておいたよ。 アンナ ……よかった。 捕虜の皆さんは解放されたようです。 ドゥーラ あの場で断ってしまうのは会場すべてを敵に回す ようなものだからな……改めて優勝おめでとう、王子。 アンタ達との試合、楽しかったよ。 ケイティ ありがとうございます。 ドゥーラさんこそ流石の気迫でした。 試合が長引けば、どうなっていたかは分かりません。 ドゥーラ そうかい？　そういって貰えるなら光栄だね。 それで……もしよければなんだが……。 オレを仲間に入れてもらえないだろうか？ オレはもっともっと強くなりたい。 アンタ達についていけば、沢山の強者と 戦う機会がありそうでな……だめだろうか？ アンナ とんでもないです！　ドゥーラさんが 仲間になってくれるのであればとても心強いです。 ぜひ、よろしくお願いします！ ドゥーラ ……ありがとう。王子の下でなら 今よりずっと強くなる事ができそうだ。 今後ともよろしく頼む！ ▼   9：エキシビジョンマッチ ▼   9：開始時 グレーターデーモン ……これより魔界武術大会 エキシビジョンマッチを開始する。 対戦カードは…… 今大会優勝王子チームvs ……歴代チャンピオンチーム！ ケイティ 既に捕虜の皆さんは解放されているというのに、 これ以上戦う意味はあるのでしょうか……。 ドゥーラ そういうな。大会優勝者と、主催者の用意した 魔界指折りの猛者とのエキシビジョンマッチは 大会恒例なんだ。……どうだ、燃えるだろ？ アンナ はい、何だか身体が熱くなってきました！ 王子、最後の試合も頑張りましょうね！ グレーターデーモン それでは歴代チャンピオンチーム、 入場してくれたまえ。 チャンピオン …………。 オーク うおおおおおおおおおっっ！！ チャンプッ！　チャンプッ！！ バシラ ……す、すごい歓声です。 あの方が姿を見せた途端、 会場全体の雰囲気が変わりました……！ ドゥーラ ヤツは、前大会優勝者アナトリアだ。 前大会では傷一つ負う事なく優勝してみせた 圧倒的実力の持ち主だよ。 グレーターデーモン 盛り上がってくれてよかったよ。あぁそれと観客の諸君、 先の試合で客席との壁が壊れてしまったので 興奮して前に詰めすぎないように……おや？ バシラ あぁっ！　壊れた壁の隙間から、 魔物がこちらに向かってきています！ グレーターデーモン うーんこれは大変だ……しかしこの盛り上がりに 水を差すのも野暮だよねぇ……うむ、観客諸君、 前哨戦ということで、好きに参加するといいよ。 アンナ そ、そんな！　王子、興奮した観客たちが 雪崩れ込んできます……急ぎ戦いのご準備を！ ▼   9：戦闘中 アナトリア ……へぇ、意外にやるじゃないか。 あまり興味はなかったが、 少しあんた達に興味が湧いたよ。 ドゥーラ この凄まじい気迫は……！？ ま、まさかアナトリアの戦いを間近で見れるなんて！ う、うおおおおっ！　チャンプッ！　チャンプゥゥッ！！ バシラ どぅ、ドゥーラさんのテンションがおかしな事に……。 ケイティ あの方の気迫、尋常ではありません。 王子、くれぐれも油断なさらぬよう！ ▼   9：終了時 アナトリア ――まさか人間にこれほどの奴がいるとはねえ。 王子だったか？　あんたの名前、憶えておくよ。 だがまぁ……今回はここまでだな。 フィリス ……はぁっ……はぁっ……剣を……おさめた……？ アナトリア 今回の試合、なんだかよく判らないうちに チームにさせられたからねぇ。 あたしは一人でやるのが好きなのさ。 おい、グレーターデーモン！ 優勝者とサシの勝負って聞いてたのに、 これはいったい、どういう事だい？ グレーターデーモン ふぅむ。何か手違いがあったのかもしれないねぇ……。 今度からは気をつけるよ。今度からは……ね。 アナトリア ふん……あまり下らないことはするもんじゃないよ。 ここは戦士の決闘の場なんだ。 二度目は無いと思いな……それじゃ。 グレーターデーモン …………。 バシラ ……すごい、あっという間に 場を納めてしまいました。 ケイティ 試合中は凄まじい気迫なれど、 まだまだ余裕がありそうな感じでしたね。 フィリス まったく実力の底が見えないヤツだった。 もし本気で来てたらと思うと……ゾッとするな。 アンナ ……ともあれ、武術大会の優勝おめでとうございます！ 改めて王子の強さに感動してしまいました。それでは、 人間界に帰還しましょう。本当に、お疲れさまでした！

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――周囲の状況を確認！
魔物の姿は見当たりません！

王子、報告にあったような凶悪な魔物は
どうやらこの場所にはいなかったようですね。

それでは、
調査を終了して帰還の準備を始めましょうか。

――いや待て。そこにいる奴、
隠れてないで姿を見せろ。

へぇ……気配を殺していたつもりだったが、
まさか気づかれてしまうとはね。

さすがは噂の王子とその仲間と言ったところかな。
わざわざ出向いた甲斐があったというものだ。

あれは、オーク……！？
なぜ、ここに……？

言葉は不要だ……。
今は只、その武を以て己を語れッ！！
さあ剣を取るんだ、王子！　オレと勝負をしろ！

王子、すぐに戦いの準備をお願いします！

ふふっ、やるじゃないか、王子。
60％の力のオレとでさえ、まともに戦える奴は、
そうそういないぞ。

60％！？
まさか、さっきのは手を抜いてたとでも言うのですか！？

ああ、その通りさ……。

もしオレが本気を出して王子を殺しでもしたら、
魔界武術大会の御偉方から大目玉を食らうんでね。

――魔界武術大会ッ！？
何ですか、それは！

そう息巻くな、人間の雌よ。
順を追って説明してやる。とりあえず場所を移そう。

……どうやら今は敵意はないようです。
王子、とりあえず話だけでも聞いてみましょう。

オレの名はドゥーラ。オーク族の剣闘士だ。

こうして王子に会いに来たのは、他でもない。
アンタが魔界武術大会にエントリーされたんで、
その招待状を持ってきたんだ。

魔界武術大会というのは、
この世で一番強いヤツを決める大会のことさ。

その参加者は魔界、地上界を問わない。
強ければ誰でも参加する権利がある。

ただ、自由参加だと本当に強い奴が集まるとは
限らない。そこで、主だった種族の中でも一番強い奴を、
その種族の代表として、特別に招待している。

人間の中では王子って訳だ。

名誉な事だぞ――
――ってなんだと？　参加を辞退する……？
……それだけは止めておいた方が良い。

なぜなら、人間代表として選ばれた王子が
不参加となれば、魔界にいる人間の捕虜、
全員が殺されることになるからな。

おいおい、そんな目で睨まないでくれ。
これは今大会の主催者が決めたことなんだ。
……オレだってこんな卑怯な真似はしたくないさ。

だが逆に考えてみろ。これはある意味でチャンスだ。
そう、魔界に囚われた人間たちを解放する為のな。

オレもアンタみたいな強者とは、何のしがらみもなく
闘いたい。出来る限りの事であれば
協力するつもりだが……どうする？

……ああ、それでいい。
それじゃあ、正式な参加表明として
今の言葉を受け取っておくぞ、王子。

――と、伝え忘れるところだった。
魔界に満ちる瘴気に関してだが、あれは地上界に
棲む者にとって害でしかないことはこちらも理解してる。

だから大会会場では公平性を期すため、
瘴気はきっちりと遮断される。
アンタ達も万全の状態で戦えるだろうさ。

これで話は終わりだ。
さあ、とっとと出発の準備をしろ、王子。
大会は明日開催だ。すぐに魔界に向かうぞ。

ここが、魔界武術大会の会場か。
すげぇ熱気だな……！

ちょうど予選が終わった所みたいだな。
招待枠である王子たちは本戦からのスタート、
出番はもうすぐだ。気を引き締めろよ。

――と、そろそろ主催者からのルール説明がある。
しっかり聞いておくんだぞ、王子。

ふむ……あぁ、毎度説明してるとは思うが、
本大会の試合中、同時に戦闘に参加できるのは
5人まで……これについては、いいね？

あと、種族間での不利を無くす為に、
瘴気は会場に入らない様にしている……すごいね。

ふむ……まぁ、そんなところかな。
後はぁ……そうだな。とにかく勝てばいい。
ここでは強さ以外は意味をもたないしね、以上だ。

人数制限以外ルール無しって事は、
なんでもありって訳か！？　魔界のゴロツキ共の事だ、
何されるか分かったもんじゃねぇな。

……それじゃ早速始めようかね。
第一回戦は人間代表、王子チームvs竜人代表、
ゴライアチームだよ。

――チッ。初戦の相手が人間とはナ。
強いヤツと戦う為ニ来たってのに、拍子抜けだゼ。

……いきなり竜人種が相手か。
ヤツらは単独でも強いが、いつも試合中に
守り神の竜が乱入してくるんだよな。気を付けろよ。

人間代表、王子チームの勝利！
お約束の守り神の乱入も乗り切るなんて、
うぅ〜ん……なかなかやるねぇ！

王子、すごいです！
難なく一回戦を突破できましたね！

この程度ではしゃぐな、みっともない。
まだ大会は始まったばかりなんだぞ？

あ……す、すみません。
嬉しくて、つい……。

この調子で二回戦目も勝ってくれよ、王子。
そうすれば、いずれオレのチームとも戦えるはずだ。
その時こそ、100％の力でお前たちと戦える。

何はともあれ一回戦突破できて良かったです。
王子、なんだか私も燃えてきました！
次も勝ち進みましょう！

よっしゃ、二回戦目も気合い入れていくぞ、王子。
この調子で優勝まで一気に勝ち進もうぜ！

あちらをご覧下さい、王子！
どうやら、次の対戦相手が出てきたようですよ。

あれぇ？　もしかして次の相手って人間？
ふふっ、私ってついてるかも。
これなら楽勝かな。

……どういうことでしょうか？
彼女は仲間の姿が見えませんが。
まさか、一人で戦うとでもいうのでしょうか？

へっ、ナメられたもんだぜ。
どれだけ強いか知らねぇが、
五対一で勝てると思ってんのかよ？

普通に考えれば王子たちが圧倒的に有利だが……
あの女、自由参加枠で予選からずっと一人で、
勝ち上がってきた奴らしい、油断するなよ？

あぁ……両者、準備はいいかね？
それでは魔界武術大会二回戦、人間代表
王子チームvs孤高の魔物使い。開始！

アナタ達、戦闘準備よ。
魔獣オルトロス、配置につきなさい！

グルルルルッ！

――なにッ！？　魔獣オルトロスだと！
なるほど、次から次に魔獣を呼び出す気か！

主催者に対し、異議を申し立てます！
これでは大会ルールに違反するのではないでしょうか？

ふむ……まぁ、今回魔物使いさんは一人だしね。
特例って事で……いいんじゃないかな。

そ、そんな……！

主催者に都合の良いルール……。
王子、こうなったら覚悟を決めてください！
とにかく今は、力でねじ伏せるしかありません！

またまた人間たちの勝利か……うぅむ、つまらないねぇ。
人間たちがボロボロになる姿が見たいのだが。
……まあ、次に期待だね。

そ、そんな……あたしの魔獣たちが
みんなやられちゃうなんて……くぅ〜っ！
お、覚えてなさいよ〜〜〜っ！！

まさか、あのような不利な状況でも
勝利を収めるとは……やるじゃないか、王子！

ですが今回の戦いで、大会のルールが
こちらにとって不利なものとなる可能性が
あることを実感しました……先行きが不安です。

本来であれば、ここで棄権すべきなのでしょうが、
魔界にいる捕虜の人間たちを助けるまでは、
奴等のルールに従って戦うしかないですね……。

ふん、ハンデみたいなものだ。
剣の鍛錬にはこれ位でちょうどいい。

覇気は未だ衰えず、か。
うちのチームも負けてられないな。

ドゥーラさんも、次の試合がんばってくださいね。

ふっ、言われなくとも勝つさ。
それじゃあな。三回戦の会場で会おう。

次は王子チームとー……おぉ、これはこれは
デシウス君、久しぶりだね。元気にしていたかい？

――黙れ、グレーターデーモン！
もう吾輩は貴様の部下でもなんでもない！

ほう……随分と調子にのってるね、デシウス君。
君の力で王子を倒せると本気で思ってるの？
有利なルールで戦わせてやっても良いよ？

ゆ、有利なルール！？
それは魅力的な……いやいやいや！
我輩は自らの力で王子に勝つのだ。

でも、王子とデシウス君じゃ勝敗が見えてて
つまらないしねぇ……そうだ、観客を盛り上げる為に
次は毒でも撒いておく事にしよう。

ひ、卑怯な……！
これでは王子軍が――

うるさいな、デシウス君は。
君が少しでも戦いやすくなる様にしてあげてるんだから、
むしろ感謝してほしいよね。

では……両者、準備はいいかね？
それでは、魔界武術大会三回戦、
王子チームvs暗黒騎士デシウスチーム。開始！

これは……王子、試合場には微量ですが
毒が撒いてあるようです。ご注意ください。

な、デシウスが5人！？

恐らくドッペルゲンガーかと。
どれが本物か判りません、
王子、冷静な判断をお願いします。

――グッ、ふぅ……あと、もう少しだったというのに。

……ふん、デシウスめ、案の定負けたか。
ほんのちょっとでも期待したワシが
バカだったねぇ……。

暗黒騎士デシウス、か。
なかなかに見所のあるヤツじゃないか。
きっとアイツはまだまだ強くなるぞ。

だが、それ以上に王子。
アンタたちの強さは本物だな。
次はもう準決勝だ。

ドゥーラさんのチームも順調に勝ち進んでいますから、
このままいけば、決勝戦で
王子と戦うことになるかもしれませんね！

ああ、その時が楽しみだよ。
必ず決勝まで勝ち進んでこい。
最高の舞台で、アンタと試合をしたいからな。

――あ〜、大会参加者諸君。
本日の試合はこれにて全て終了した。

今宵は我々が用意した最高級の
宿泊施設で身体を休めてくれたまえ。
それではまた明日。

魔界の宿泊施設……ですか。
何だか少し怖いですね。

とはいえ、十分な休息をとらなくては力は発揮できません。
王子、案内係に従って宿泊施設へと向かいましょう！

まさか魔界の宿泊施設を利用するとは
夢にも思いませんでしたね。

瘴気のせいで居心地がいいとは言えませんが……
雨風が凌げるだけ、良しと思うべきなのでしょうね。

そうですね。
では、明日の試合に備えて休むとしましょうか。

――その必要はないよ、人間たち。
何故なら、君たちは此処で永遠の眠りにつくのだからね。

貴方は……グレーターデーモン！？
それに他にも多くのデーモンたちが……！
そ、そんな……これはいったいどういうことですか！

まだ分からぬか？　ワシらはね、
この大会に王子を呼び出して殺すのが目的だったのだよ。

あれはグレーターデーモンを超える究極の存在、
ゴールデンデーモン……？！
……流石に瘴気だらけのこの状況では……っ！

――馬鹿者ォ！　この程度で諦めてどうするッ！？
まぐれとはいえ、
我輩に勝った者達の態度とは思えぬな！

ん？　おかしいね……なぜここにデシウス君がいるのだ？
君の部屋は用意してなかったはずだが……。
さっさとそこをどきたまえよ。邪魔なんだってば。

生憎だが、王子たちを殺させるわけにはいかない！
我輩に勝った者が準決勝を不戦敗となっては
吾輩の威信に関わるではないか！

魔界の瘴気の影響を受けないデシウスが
加勢してくれるなら、活路が開けるかもしれません！
王子、戦いの準備をお願い致します！

デシウス……度し難い愚か者だね、君は。
いいだろう。王子もろとも皆殺しにしてやるとするかね。
デーモンの恐ろしさ、身を以て味わうがいい。

うぅむ……これは計算外だねぇ。
だが、まだ他にもやりようはあるか……。
明日の大会中に、地獄を見せてやるとしよう、ウン……。

はぁ……はぁ……
な、なんとか……追い払えたようだな。

それにしても、さすがにあれだけの
デーモンを相手にするのは一苦労だった……。
正直、試合よりも疲れたぞ。

今回は素直に感謝せねばなりませんね。
危ないところを、ありがとうございました。

か、勘違いをするな！
別に貴様らの為に戦ったわけではない。
これは、我輩の面子の為にとった行動だ！！

それでも、助けてくれたことには変わりありません。
王子を救ってくれて、ありがとうございます。

フン……少しでも有り難く思っているのならば、
明日の試合に全て勝ち、大会に優勝するのだな。

…………デシウスさん、行ってしまいましたね。
何を考えているのか分からない所もありますけど、
根っからの悪人ではないのかもしれないですね……。

王子、先ほどのデーモンの口振りから察するに、
まだまだ大会には何か罠が潜んでるかもしれませんね……。

ですが、捕虜の皆さんを解放する為にも負けられません。
王子、明日の為にも
今はしっかりと休息をとってくださいね。

――ここが前回のチャンピオンが作らせた、
ジャングルを模した訓練設備だ。

……すごい。
まるで地上のジャングルのようですね。

古くから続く伝統ある大会……。
それも、魔界じゃ数少ない大きな行事のひとつだ。
優勝すればこれくらいの無茶も許されるってわけさ。

それに、優勝者の言葉を無下にしようものなら
大会に泥を塗る事になるからな。アンタらが
優勝すれば捕虜の解放だって造作無しだろうよ。

グレーターデーモンが捕虜を解放するのか
不安でしたが、そういう事でしたら安心ですね。

まぁ、あくまでも優勝できたらの話だがな。

大丈夫です！　今のところ王子は絶好調ですから。
このままいけば、絶対に優勝できるはずです！

……おいおい。もしかしてオレの力を甘く見てないか？
前回は60％程度しか出していなかったんだが……。
いいだろう、なら今ここで80％の力を見せてやるよ！

――えッ！？
な、なんでそうなるのですか！？

つべこべ言わずに戦いの準備をしろ！
なぁに、前哨戦みたいなもんさ……行くぞ！

ふーっ、いい汗かいたぜ！
やっぱり強いな、王子は。

はうぅ……オーク族の方は、
やはり闘いになると
人が変わってしまうようですね……。

――……探したぞ、ドゥーラ。
そろそろ私達の試合が始まるぞ。

……あっ！　すまねぇっ！
つい、昂っちまってよ。
……すぐ行くから待っててくれ！

というわけだ王子、次やるときは決勝だな。
その時はオレの本気を見せてやるよ！
それじゃあな……。

…………行ってしまわれました。
見たところ、ドゥーラさんのチームには、
弓の使い手の方もいらっしゃるようですね。

王子、どうやらこのままいくと決勝では、
本気のドゥーラさんと戦う事になりそうですね。

（あれ？　でも待って下さい。さっきので80％
という事は、ほぼ全力というわけですから……）

王子、これなら勝ち目はありそうですね！
絶対にこの大会、優勝しましょう！！

……あーっ、参加者諸君。おはよう。
昨夜は魔界最高級の宿泊施設を
たっぷりと堪能していただけたかな？

けっ、グレーターデーモンの野郎ぬけぬけと。
どうせまた何か企んでやがんだろうな。

えーっ……それじゃ早速今日の試合を始めようかね。
魔界武術大会、準決勝のカードは……
王子チームvsゴブリン博士チーム！

ふム。準備は万全、行くがよイ！
我がゴブリンの騎獣戦車ヨ！

……ん？　ゴブリンが4匹に、戦車が1匹。
あと戦車の上にゴブリンが3……おい！
ゴブリンの奴ら人数制限無視してねーか？！

なんのことかな？　戦闘に参加するのは
ゴブリン戦車1とゴブリン4、
つまり足して「5」だね。何も違反はしていないよ。

……そんな。
やはりこちらの申し立てを聞く気はないようですね……。

王子、何が起きるか判りません。
くれぐれも気をつけて下さい！

……ふあぁ……つまらない試合ねぇ。
あくびが出てしまうわ。

全くですわ、お姉さま。見ているだけなんて
退屈ですことよ。……三女！
何か面白い事でもやりなさいな！

面白い事ですか？　そうですねぇ……
……そうだ！　人間が近づいて来た時に
魔法で攻撃しちゃうとかどうです？

あーら、面白そうじゃない。
どうせ何やったっていいって話よ、
人間どもをいたぶっちゃいましょう。

さすがお姉さま、ステキですわ！
……三女！　アンタが言い出したんだから
ちゃんと気合いれて攻撃するのよ！

はい、任せてくださいお姉さま！
人間たちをびっくりさせてやります！

準決勝。勝者、王子チーム！
試合中のヤジにも負けずよく頑張ったねぇ……。
まぁ、こんな事もあるさと割り切ってくれたまえ。

判っちゃいたけどよ。いい加減
腹が立ってきたぜ。もうちゃっちゃと
アイツをぶっ倒しちまえばいいんじゃねーか。

お気持ちはわかりますが、捕虜がいる以上
軽はずみな行動は出来ません。
抑えてください……。

んーっ……次は決勝戦。まさか
人間がここまで勝ち進むとはねぇ。
次こそ惨めに負けてくれることを期待しているよ。

おのレ……ニンゲンめ、次こそハ……。

――って、オヤ？
……あれはまさか！　ぷ、プリンセス様ッ！？

人間をボロボロにすると聞いてたのに……
とんだ期待はずれねぇ。
使えない子は処分しちゃおうかしら。

まったくですわ、お姉さま。騎獣の餌にした方が
よっぽど有意義かもしれませんわ。

――ヒィッ！

お姉さま。餌にしてしまうなんてもったいないです。
お仕置きでしたら殺さず生かさず、
くらいのほうが楽しめるんじゃないでしょうか。

そうねぇ……可愛い三女の頼みだもの、
餌はまた今度にしようかしら。それじゃあ
お仕置きは帰ってからのお楽しみね。

は、はヒッ！

……ゴブリンにも色々とあるようですね。
王子、準決勝お疲れ様でした。次はいよいよ
決勝です。優勝目指して頑張りましょうね！

さぁ、いよいよ魔界武術大会も大詰め。
両チーム、入場してくれたまえ。

決勝はやはりドゥーラさんのようですね。
彼女であれば卑怯な行い等はないかと思います。
正々堂々、正面から戦いましょう。

ようやくこの時が来たな。王子、見せてやるよ。
オレの100％中の100％……
……いや、120％の力をっ！！

――ひゃ、120％！？

おい、あんなのアリかよ！？
前に戦ったときとは比べものにならない威圧感だぞ！

うおおおおおおおおぉぉっっ！！
ドゥーラッ！　ドゥーラッ！！

……あの旗はオークの士気を高める軍旗のようですね。
私達で言う王子……みたいなものでしょうか。

あの旗が振られている限り、オークの方々は
士気が高く、普段以上の力を発揮していると
思った方がよさそうですね。王子、ご注意を！

グッ……オレの負けだ。完敗だよ、王子。

やった！　勝ちました！
優勝ですよ、王子っ！！

……優勝は王子チーム。
まったくもってつまらない結果だねぇ……それじゃ。

待ちなさい！　グレーターデーモン、
捕虜の人達を解放しなさい！

……断っても面倒そうだねぇ。
――……ほら、甚だ不本意ではあるが
捕虜の人間は解放しておいたよ。

……よかった。
捕虜の皆さんは解放されたようです。

あの場で断ってしまうのは会場すべてを敵に回す
ようなものだからな……改めて優勝おめでとう、王子。
アンタ達との試合、楽しかったよ。

ありがとうございます。
ドゥーラさんこそ流石の気迫でした。
試合が長引けば、どうなっていたかは分かりません。

そうかい？　そういって貰えるなら光栄だね。
それで……もしよければなんだが……。
オレを仲間に入れてもらえないだろうか？

オレはもっともっと強くなりたい。
アンタ達についていけば、沢山の強者と
戦う機会がありそうでな……だめだろうか？

とんでもないです！　ドゥーラさんが
仲間になってくれるのであればとても心強いです。
ぜひ、よろしくお願いします！

……ありがとう。王子の下でなら
今よりずっと強くなる事ができそうだ。
今後ともよろしく頼む！

……これより魔界武術大会
エキシビジョンマッチを開始する。

対戦カードは……
今大会優勝王子チームvs
……歴代チャンピオンチーム！

既に捕虜の皆さんは解放されているというのに、
これ以上戦う意味はあるのでしょうか……。

そういうな。大会優勝者と、主催者の用意した
魔界指折りの猛者とのエキシビジョンマッチは
大会恒例なんだ。……どうだ、燃えるだろ？

はい、何だか身体が熱くなってきました！
王子、最後の試合も頑張りましょうね！

それでは歴代チャンピオンチーム、
入場してくれたまえ。

…………。

うおおおおおおおおおっっ！！
チャンプッ！　チャンプッ！！

……す、すごい歓声です。
あの方が姿を見せた途端、
会場全体の雰囲気が変わりました……！

ヤツは、前大会優勝者アナトリアだ。
前大会では傷一つ負う事なく優勝してみせた
圧倒的実力の持ち主だよ。

盛り上がってくれてよかったよ。あぁそれと観客の諸君、
先の試合で客席との壁が壊れてしまったので
興奮して前に詰めすぎないように……おや？

あぁっ！　壊れた壁の隙間から、
魔物がこちらに向かってきています！

うーんこれは大変だ……しかしこの盛り上がりに
水を差すのも野暮だよねぇ……うむ、観客諸君、
前哨戦ということで、好きに参加するといいよ。

そ、そんな！　王子、興奮した観客たちが
雪崩れ込んできます……急ぎ戦いのご準備を！

……へぇ、意外にやるじゃないか。
あまり興味はなかったが、
少しあんた達に興味が湧いたよ。

この凄まじい気迫は……！？
ま、まさかアナトリアの戦いを間近で見れるなんて！
う、うおおおおっ！　チャンプッ！　チャンプゥゥッ！！

どぅ、ドゥーラさんのテンションがおかしな事に……。

あの方の気迫、尋常ではありません。
王子、くれぐれも油断なさらぬよう！

――まさか人間にこれほどの奴がいるとはねえ。
王子だったか？　あんたの名前、憶えておくよ。
だがまぁ……今回はここまでだな。

……はぁっ……はぁっ……剣を……おさめた……？

今回の試合、なんだかよく判らないうちに
チームにさせられたからねぇ。
あたしは一人でやるのが好きなのさ。

おい、グレーターデーモン！
優勝者とサシの勝負って聞いてたのに、
これはいったい、どういう事だい？

ふぅむ。何か手違いがあったのかもしれないねぇ……。
今度からは気をつけるよ。今度からは……ね。

ふん……あまり下らないことはするもんじゃないよ。
ここは戦士の決闘の場なんだ。
二度目は無いと思いな……それじゃ。

…………。

……すごい、あっという間に
場を納めてしまいました。

試合中は凄まじい気迫なれど、
まだまだ余裕がありそうな感じでしたね。

まったく実力の底が見えないヤツだった。
もし本気で来てたらと思うと……ゾッとするな。

……ともあれ、武術大会の優勝おめでとうございます！
改めて王子の強さに感動してしまいました。それでは、
人間界に帰還しましょう。本当に、お疲れさまでした！

攻略

魔界からの招待状

第一回戦

第二回戦

第三回戦

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グレーターデーモンの罠

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ドゥーラの鍛錬

準決勝

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決勝戦

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エキシビジョンマッチ

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